鎮守の森の片隅に
忘れ去られた汲み場がひとつ
錆びたひしゃくを手に取って
したたる水滴を拾い上げる
時間をかけて器を満たし
波打つ水面をただ眺める
森の奥にいる神様のことも
この ....
旅路
ひとはみな
利己的なもの
それでいいのだ
利己的でなくて
何ができる
{ルビ己=おのれ}を大事にできないものに
何を大事にできるというのだ
己を愛せな ....
二人の話声が
雨後のしじまに
遠のいて行った
それから もう
何も聞こえない
闇はゆっくりと
比重を増し
畳に拡がる
今夜も
夜が
卵を産みに
やって来た
人間を愛そうとして愛せない私は やっぱり人間失格なのか
嗚呼 愛おしき太宰
狂おしい刹那
「本当」はいくつあるのか…
そこにある旋律に凜と立ち、貴方の喜びと私の悲しみを ....
ワラビ
セリ
ナデシコ
ナズナ
ツツジ
ハナミズキ
ヤエザクラ
アヤメ
ムラサキダイコン
タケノコ
ヤマブキ
カーネーション
窓の外の蒼い光は
声なく私を呼んでいた
冷え込む夜に身を投げて
立ち眩むほどに十六夜の月を見上げると
遠くの車道を行く風の足音が耳を抜ける
夢に似たオリオンが瞼の裏にも輝いて
名の知れぬ音 ....
生理がきた、生理用の硝子流し椅子で絞る。
花が散る 散るためには咲かなくてはいけない 咲くためには生殖しなければならない。
生殖のための襞、膣、ここに たくさん
逢いに来てくれる
神が ....
ギネスブック
笑いながらめくる
くだらない
人間の記録に
涙が出る
救われる
自分の人生を笑い飛ばせるヤツほど
やっかいで
強い ....
見てごらん
あれが僕の剥製だよ
一点を見つめて カラカラに乾いた口を半分開けて
手を差し伸べているね
一体何を掴もうとしているのだろう
一体何を探しているのだろう
一体何を告 ....
ふかい
眠りの 底で、
燻っている 火
が あり、
仄かな
....
昼下がり
太陽の下
ボケーっと
口を開ける
昨日の苦しみを
降ろして
明日の楽しみに
スイッチを入れる
水槽の中の魚
ゆったり泳いでいる
人間をせせら笑って
それでも君は ....
ぼくが夜に眠る理由は
寂しさ以外のなにものでもない。
人間じゃなくなれば
人間じゃなくなれば
きっとぼくは眠らない。
うさぎは寂しいわけじゃない、
ましてや死ぬわけでも ....
おおきなりんごの木の下の
かげでできたちいさな庭で
ありさんたちが
さあたいへん
ん〜とね えーとね
あっちにあった
りんごの実だけど
がんばってもぼくたちじゃ
とてもじゃないけど ....
君の部屋から僕の部屋に
帰宅するまでの1時間半
電車の窓を左から右へと
流れていく夜景とともに
今日一日の出来事が
左から右へ流れていく
それは、たとえば
君が部屋の中で
うとうと ....
今生は空虚すぎて
箱庭の内から出る事さえ
何か意味が有るのかと
問いたくなる青空
底は何処までも深く
青が淡く深く時を刻む
流れる時間の虚しさを
どう遣って伝えれば
届くのかと
....
ボクがペンで前に書いてフラれたラブレターを
えんぴつくんに見せると
ぜんぜんダメだね
なってないね と言われる
それがこれだ
「 ....
旅するほど長かった。
苦しさと難しさ。
例えようのない緊迫感。
左飛は永遠に落ちてこない
わっ、すべてが選択されてしまった
これが10年の低迷を破る試練だろうか。
起き始めた一喜一憂
....
意味の無い
存在証明を繰り返した心は
誰も気づいてくれないという
被害妄想に犯されて
音をたてて、崩れました。
だからね、
僕の存在を唯一知る君と
この世の何よりも
密着するこ ....
葉っぱは季節をたとえません
すうふうと風にもつれません
声がでない
見たこともない町並みや
笑ってばかりの声色に
ない交ぜにされて
先に歩いてていいですよ
追いつくつもり ....
青空が、うかんで消えた吐息の記念に
ぼくは、ヴァーミリオンのツツジを植えた。
妻は、ヴァーミリオンが大好きなおんなだけれど
それを見て黙ってしまった。
妻の魅力的な尻のほんの一部にオム ....
090423
懐中時計をポケットにしまう
ジーパンのポケットにしまう
海の中には
海坊主がいて
溺れた人を
丸呑みにするのだと
笑いながら時計を見て ....
友と杯を交し
日々の想いを
語らう夜に
酔いどれて独り
家路を辿る
夜の道すがら
何ヶ月も同じ場所に坐り
路傍の石と化した
家無き人の
汚 ....
{引用=
明日生まれる予定です
あなたが生まれる予定です
わたしも生まれる予定です
多分息する予定です
胎内は塩辛くどうにもこうにもいけません
早々、外に出られるわけでもないの ....
詩なんか
書かなきゃいいのに
また携帯カチャカチャ鳴らしてる
疲れてるし
変にお腹痛いし
ストレスだらけで何も出来ない私は
やっぱりカチャカ ....
私は女ですから、髭を剃るようなことは一生ないものだと思っていました
私はいま髭剃りを手にしているのですよ
少女の私が聞けば目を引ん剥いていることでしょう
何でも機械化する時代ですから
剃刀の刃 ....
スアードは美しい娘
両親もかわいがる一人娘
だから なにひとつ不自由はない
一人の若者がスアードに首ったけ
「もし 君が死んでも教えないで そうと知ったら 僕も死ぬから」
....
今日は近くの古い喫茶店に出向いて知らない人を見つめた
あたり でてこない
壁のないところは怖い 怖いでしょう
もう家に帰りなさい
同じ人にはもう会いたくない
線を延長したくないっていってる
....
赦してくれる君の そんな君のまなざしに
ただ ボクの昔話を
触れれば 溶かしてしまえば 切り刻まれる
決して誇らしくはないけど それでも ボクの真実
たとえば十年の昔 ボクには
君で ....
寄生虫が
法律について
語っている
「言語と法律
お金と資本主義について」
寄生虫が
法律について
語っている
「結婚とは何か
離婚とは何か
女性の自 ....
きみの左胸をすりぬける
すこし気の早い夏のあらし
ぼくは痛んだ胸をうけいれて
ポエティックな名前をつける
風が強すぎるから
騒がしい街が
まるでおだやかな森 ....
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