だらしなく広がる巻層雲に横たわる私だったが、何も香ってこないので、イヤホンを外し接触を始めることにした。
ちゅんちゅん。
透いた空中を流れる声。
明らかに小鳥の発するものだった。
私は ....
深紅のイチョウが
月夜の湖に鮮やかな
色彩を描き出す
底の見えない水溜まりに
興味本意に足を突っ込む
そのまままっさかさまに
落ちていずれ反対側にたどり着く
....
もう
咲いちゃっているのね紫陽花
雨季の藍色を集めて
水の器ハイドレンジア
入梅前の
まだ青い空にはコアジサシがふわり
無重力下のブーメラン
六月のジュゴンに伝えてください
皐 ....
余裕、
事物としてでなく
魂の電線、
ギター。
路上に仕掛けられた
木片ーその下で
丸い火薬粒が
出番をひかえている。
役者であると同時に
観客である 少年たちは
電信柱 ....
きりのいいところで
ひとやすみにして
と言いかけると
とても悲しい顔をする
そんなに文字が好きですか
とても気になるおはなしの
魔法にかかった君は
幸せそうにカレンダーにしるしをつけ ....
ポピーが手をふる
あの頼りない花が
赤いてのひらを
ひらひらさせて
生ぬるく上がる気温に
山の空気が差し込む
一瞬の冷気が
五月の雨になる
吹き降ろす風と
じりじり上がる気温に
....
つ
め
た
い
まるで徘徊の風
嘆かわしい現身
雲は碧く滞留
さすれど
無機質極まりない
蓄積だけでは
越えない何か ....
おろしたての石けん。
あわあわでいい匂い。
整体に行くたびに湿布をぺたんと貼ってもらうけど、これがなかなかにして強烈で。
はがした後も大分スースーする。
お湯をかけたらね、もっとス ....
良く晴れた多摩川沿いに走る二車線の都道
歩行者用信号機は青へ変わっているに右見て左見て
みーちゃんの手を引きながら急いで渡る
轢けるもんなら轢いてみなよ…いつもならそんな気概なんだけど
....
慌ただしい朝
出勤前に身だしなみを整えていたら
妻から声がかかる
バァチャンガナクナッタ
僕らの結婚当初からお世話になっていた
九州から出てきた妻は母親代りに慕っていた
おばあち ....
ただその一言を伝えたくて
果てしない道を越え
あなたに会いに行くよ
鋼管通りで見上げた空は
なんとなく青くて
煙突を何本も飲み込んでいた
あんた女みたいだね
それに引き換え
あたしは日に焼けた肌と
にじんだ人生と
メンソールじゃない煙草
拾っていきやが ....
私はおんな
毎日のお天気が気になる
紫外線にお洗濯
毎日のお天気とも闘う
私はおんな
キラキラしたものが大好き
可愛いものも大好き
だから自分が一番好きで
一番嫌い
....
僕の願いは空に
吸い込まれて雲になる
あなたが望むのならば
鳥のように羽ばたける
胸に走る痛み
いつまでも憶えておこう
こんな日々をくれた
あなたにありがとう、と。
雨が ふるふる ....
俺は俺という鎧を脱いで
ぼくも わたしも
全ての一人称を捨てて彷徨いたい
全てが嘘っぱちに見えてしまったんだ
渋谷ハチ公前のスクランブル交差点
あそこを行き交う人々がみんなエキストラに見えた ....
生まれたばかりの君は
まだ数えるほどしか
ものを
もってない
まだ ものを 欲しがらないし
きっと わからない
でも、「これを君に。」ってあげるとき
僕はとてもドキドキする
君 ....
090525
君のためならば
どんな苦労も厭わない
ベタなセリフを懐に
セリフを抜かして叱られる
役者さん
社名抜かして処分を受ける
アナウ ....
ブラックスモーカーの
熱い暗闇のほとりで
スケーリーフットを枕に
わたしは不思議な夢を見た
空っぽの背骨を
滑らかな夜風で満たして
わたしは空に浮かんでいた
手足になり損ねた ....
手を引かれ歩く。
懐かしい匂いのする君
その面影は記憶の水底
私が潜水夫になって強く握り返すと
つないだ手には水たまりができて
空の色を映す。
薄暗い緑の茂みの奥までくると
....
東の空に夜が這い出て
闇は
何もかも消し去った
濡れた瞳も
ぜんぶ、ぜんぶ
指先の温もり
錯覚
あなたには届かない
もう
声も、想いも
ぜんぶ
ぜんぶ
....
わたしだった
わたしじゃなかった
あなただった
あなたじゃなかった
ああ 結局どちらでも良い
はじめて壊れるときを見るか
それとも塞ぐか
どちらかしか無いだろう
あ ....
泣きそうな声でコール
終電が出ていくよ合図
逢いたくなって週末に
雨の糸を照らすタクシーのヘッドライト
どうしても伝わらない体温を
一本の波に預けて空に投げる
だらしなく膝 ....
指輪の輪の中に星を見た。
指は星をも貫く。
これだけ些細な優美。
されど骨までも、星の強靭な円によって支配されていようとは。
まさか気ままであるはずのこの眼さえ ....
貴方の影を決して踏まぬようにと
いつも三歩下がって歩く癖が
いつしか身に染み付いていた
夕暮れに伸びて行く影法師は
遠のいて行く貴方の背中、貴方との距離
沈む夕陽を従えるように
貴方は歩いて行 ....
みえるものは
たとえば、光るに足らない星たち
それは遠く、遠くにいる
だいじなともだちの
からだに巻きつく
スパンコールの糸でんわ
暗がりでもこわくない
ほらね きみがいる
....
ゆっくりと、撫でてゆく
背中から本能までの
または、今日から命果てるまでの
測れない距離を、あの人の言葉は
簡単に届いて、そして、
明日に色を書き足してゆく
友情、と言っていた
....
寂寞の{ルビ鎮魂歌=レクイエム}が
耳に残り{ルビ心臓=ハート}を食い破る頃
夜更けの月は狂った{ルビ緋色=スカーレット}
ヘッドフォン越しに響くミュージック
目を閉じれば激しすぎ ....
「
c かっ
こ」
あれ、かっっ、
こ
スペース、うまくできないや、へへへ。
橙色の光は坂を照らしている。
僕は走っている。
新聞を配っているんだ。
....
あなたが先に眠るのならば、
あたしはその吐息で眠りにつきましょう
涙が枯れた ひとりの夜は
ゆっくりと
あるいていよう
ひとりのリズムで
つきといっしょに
行く先は決めない
足の向くまま
吸って 吐いて 吸って 吐いて の
自分のりず ....
3722 3723 3724 3725 3726 3727 3728 3729 3730 3731 3732 3733 3734 3735 3736 3737 3738 3739 3740 3741 3742 3743 3744 3745 3746 3747 3748 3749 3750 3751 3752 3753 3754 3755 3756 3757 3758 3759 3760 3761 3762
【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
3.96sec.