「また話そう」
あなたの背中に虚しく響く。
またはあるのか。
その日は来るのか。
もう、来ない気がする。
貴方が遠い昔に画布に閉じ込めた想いが、遥か時を航り
海を隔てた僕の岸辺に辿り着く
貴方が空と大地と巡る風の中に垣間見た世界が、
碧眼ではない僕のレンズを通して
色鮮やかに脳裏に広がって行く
風 ....
犬は音量がデカい
犬はいつまでも音量がデカい
猫の音量もデカいが
こっちは、しばらくすると「ブツ…」という音と共に消えるのが定番だ
なのに犬はまだ音量がデカいので
飼い主 ....
“繰り返し何度も何度も職人の静なる極みに染め重ねられたバーガンディの木机と、真向かいの視線の先に額縁の如し絵画のような荘厳たる山海の風景を飲み干した生成りの窓枠の、両側を揺れ動く薄紅色と鴇色の水玉 ....
そんな些細な鳴声
気にしな、
いかい?
あのマングローブの奥から蝙蝠達の会話が聴こえた
垂れ流したのはお前等じゃ、の声がいずこからか運ばれた
確か、茂みの先から暮れなずみ ....
髪を切る音
霧に落ちる道
羽と火の音
氷の船
高く奇妙な階段の家
ある日消えたあとの空地を
ひとつふたつすぎてゆく声
影のなかをすぎる影
海に沈みか ....
ここにいると
ここでなくなる
踏み出すたびに
空に海になる
ここでもいいし
どこへでもいい
見つかるものはいつか見つかり
見つからないものは見つからない
ここ ....
つむじ風 ふらふらり。
徒歩、徒歩、と泣く
みじかく息を吸えば吸うほど
僕の胸は最大浸透圧に耐えられなくなって
空が広いのはなぜですか
隠してる命のその数か
真綿に首を絞められてい ....
階段で倒れた人
思うのは誰のこと
目を閉じたその顔
道を飛べない車と
何もできない人々
どうでもいいざわめき
音は去り ぞろぞろ
雨のなか元の居場 ....
月が話しかけてきそうな夜に君と森に行った
長袖のセーターの編み目から晩秋を感じ
ことさら淋しく侘しく森の音が響く夜
足元で君の足音どんなにか頼もしい
私が迷わなくてもいいように
君は歩く
....
演劇部の先輩のふくらはぎに
さくり、と突きたつ
矢文になりたい
長閑な朝の通学路に
あらっ?と気づかれて
さらさらほどかれたい
演目は
「草原とピアノと少女と」
そんなガラス球 ....
砂埃をかぶって
眠っていたはずの感情
ピタリと閉めたはずの蓋
カタカタと震えだす
振動で落ちた
蓋の中身が
目覚める
置き去りにしたはずの
悲しみが
鮮明によみ ....
黄金に実った麦畑は
刈られるのをまっていて
私は
ずっとこのまま
黄金でいてほしいと思っていた
時は止まらない
緩やかにすることはできても
そう信じたい
その術を想い描いても
急 ....
090529
雨が降る日は天気が悪い
悪いはずだよ
天井がないぜ
傘を差しても間に合わない
大雨で
雨が漏るのはお大尽
屋根がないのが
我が国の
....
小さな頃から夢だった
エスカレーターを家に取り付けるため
大人になると僕は
さっそく業者を呼んで相談した
ところがこの家には
二階も地下室もないので
どこまでも上り続けるか ....
あなたの小さな冗談に
わたしは声を上げて笑った
あまりにお腹が苦しいので
あなたの腕をたくさん叩いた
あなたは少しも怒らなかった
紅く、
花びらの咲いた ....
期待することは
赤い実があらはれること
赤い実があらはれること
外からの彼女
どこそこの娘といふことでなく
私という私を見よ
周りにはそんな押し付けをするくせに
自分はからすうり ....
夢を見ない者たちに
夢を届けにゆきなさいと
言われ
白鳥は怖気づいた
飛び立ってしまったら最後
戻れなくなるような気がしたから
その昔
どこかの国の王子だった
ことも忘れて
....
知らないうちに
ノックされていた
ぼくが
まだ
そう 空を見ていた頃の
思い出が甦るのは
夜明けに
似ている気がする
静かで 重くて
泣いてしまいそうになる
....
ぼくは一人ではない
ぼくがダメなときでも
だれかが頑張っていてくれるから
ぎりぎりふりしぼって
前のめりにでも進んでいったら
またやる気出てくるのかな
西の低き ....
雨の匂いがする
埃っぽい陽射しの名残りを弔って
闇に隠れ
秘密裏に行われる洗礼は
いつしか
もっと内側まで注がれるはず、
そんなことを
どこか信じている
陰音階の音だけ降らせ
目に見 ....
泣きはじめたら
はらしはじめたら
どうやって責任を問おうか
土曜日のカフェテリアでサイドバーガー
いつものあなたのよう
飲みきれないシェイクをわたしは混ぜはじめて
つけ睫が悲しみを持って重 ....
夜の通りにぼくを探して
通りにでたあなたを連れ去ろう
核ミサイルが発射されたとしても
ぼくらは大物で
こんなときさえ愛の言葉を交わし合っている
酔いどれの無気力が街にこだまする
そのど ....
明日は海が見えるといいな
この窓は晴れた日に水平線が見える
きらめいて きらめくたびに
海鳴りよりも遠くて深い いつかの音がする
胸の奥にいつのまにか 残してしまった
*真剣な話をし ....
白と黒の
ふちどり
真っ赤な
口元
からだのラインを
浮かび上がらせる
スーツ
からだのラインを
あいまいにする
ドレス
おどけた嬌声
うちひ ....
藁葺き屋根の旧家の庭先には雨雫垂れる五月雨のなか宿ると云う
パラサイトだよ、人生は、
と謳う縁側に何度目かの越冬で老いた蓑虫が背を丸める
障子の破れは窮屈な己れの心の風通しを考えての ....
あめあがり ゆ
あめあがり ゆ
つきだした くちびる
ひとしずく なめるうちに
また屋根が
さわがしい
ながれおち ん
ながれおち ん
のどつたう ん ....
がいこくのなまえ
いそがしいね
がいこくのなまえ
どこにいたの
どこからきたの
がいこくのなまえ
たくさんでてくる
はやしのようになる
がいこくのな ....
しかること
どなること
うつろでっしゃろ
うつろでっしゃろ
よわいものにばかり
つよくあること
うつろでっしゃろ
うつろでっしゃろ
めがおよいで
い ....
あなたと住んだあの街を
今日久しぶりに訪れてきたよ
駅の改札でスイカが使えるようになっていて
なんだか不釣り合いな感じがした
私が働いていたビデオ屋さんが
つぶれていて驚いた
ほかにもいろ ....
3719 3720 3721 3722 3723 3724 3725 3726 3727 3728 3729 3730 3731 3732 3733 3734 3735 3736 3737 3738 3739 3740 3741 3742 3743 3744 3745 3746 3747 3748 3749 3750 3751 3752 3753 3754 3755 3756 3757 3758 3759
【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
4.35sec.