リスボンでもないのにファドの旋律
わたしは歌詞を知らない
調べは暗く哀しく
凡夫の矜持と凡婦の清潔
宇宙を小窓から覗いている
そこは濃い月の色をしている
ふと人生の目的について考える
愛 ....
ころがりはじめる、車輪
の、わたし
たちを運んでいるひとの、死
が、きみの口元で
どもっている
夜が、解読
されるべきことばを
もたないまま、それぞれの死の
もとに留まる、 ....
息苦しい毛布に潜り
生温かな呼吸を繰り返している
朝が来れば、くれば、と
闇のない夜に
恐れる心が奪ったから
やさしい鳥は渡ることができない
闇でなければ輝かない
....
お願いします、どうか
そんな他愛も無い言葉で
私の古傷を、抉らないで下さい。
今となっては小学生をおいて渡る者はいない
廃線となった国道の歩道橋の手すりを拳で叩いている。
三十を前にした男の行動としてはアホみたいだが、久々に
一緒に散歩していた妹を笑わすには上出来だった。 ....
白昼の薄闇から
紡ぎ出されることばは
淡く銀に光るほそい糸となり途切れることなく
佇む木の脳髄に送り込まれてゆく
ほんの一瞥で
粉々に砕けてしまいそうなその糸は
淡い夢のように儚げ ....
誰も運転していない車に
もの凄い速さで連れ去られている
道の両側の壁にぶつかりつづける
曲がり角が見えてくる
道は祭で埋まっている
車はまだ 止まろうとしない
車 ....
風が止まり
青と黄の番
見えた川底
水鳥体操
径のくまどり
寝不足まつり
しんとした空
めくる緑は
目んたま経由
耳のはら行き
....
空き地がなくなり
見えない花火
曇り空の下
音だけの花火
大きな建物のまわりの草は
花も花火も見たことがない
自分のからだの奥の奥に
花があるとは知るよしもない ....
栗の花の下を雨が降る
そこを通り抜けるから
貧弱なころもは着ない
ならば裸体か それも
トルソの形がふさわしい
夏という夏は虫の仮装をして栗の花に集う
これは別れた恋 ....
ゆがんだ水の端を手折ると、狂った植物がその秒数を逆さにする。空気の残骸の渦の残骸が、その風光を光に記録する。ゆがんだ水の意識がなめらかに転がり、目醒めた植物を汲み上げる。神と神との境界は拡大し、神は消 ....
幽霊が電車を見る
幽霊がお地蔵さんの横を通り過ぎる
幽霊が電車の明かりを遠くから眺め追う
お地蔵さんが幽霊を片目で追う
電車が幽霊を通 ....
今まで会った
いく人もの
あなた
(たちではなく)
の輪郭は
時間に洗われて
薄くなり
次第に
わたしの中の
小さな歴史になる
不揃いで
気まぐれな
「その時」「あの時」
....
夢と夜にはさまれて
わたしは窓辺に眼をあげる
星を盗みたいと思った
屋根裏部屋が暗いので
星をひとつ盗んで
枕元の光にしたかった
星を盗みたいと思った
女の指先が寂しいので
星 ....
はたと醒めては朝を呪い
ふと我に返っては白昼に佇む
夜な夜な待てども、愛想もない
ちぎれた写真を並べても
知らない顔があるばかり
いつからだろう
こんなにも笑わなくなったのは
慣 ....
一人だけ居残って
いつまでも待ってたけど
母さんは
迎えに来なかった
ふと考えてみたら
僕は高校生になっていた
幼稚園じゃあるまいし
なぜあの時
そんな勘違いしたんだろ ....
アザラシのことについて書こうと思ったが
今すぐ風呂に入らないとお湯が冷めてしまうから
また今度時間がある時に書こうと思う
たらばがにを食いたいと思うけれど
値段が高くて食うことが出来ないから
柿の種チョコレートを二袋買ってきて
昨日と今日と二日間に分けて食べた
哲学の猫が
書物に足跡を残して
そこで終わってる
残されたページには
いつもの海と
青い空
さえ何もない
私は猫を探しに行く
足跡を残して
そこへ辿り着くまで
....
ねずみ色のコンクリートが暗く染まる
何か落としものがあったような気がして
歩いて来た道を右から振り返ってみた
つうつうと機械的に落ちるさみだれ
庭に投げられっぱなしの花切り鋏は
いつから ....
http://www.youtube.com/watch?v=cnp--ck80es&feature=channel_page
{注Why does the socket breed ....
「まだ諦めてないのか」
季節は夏を出し惜しみして 中途半端に突き抜けている
そんな景色をぼんやり眺めていたら
急に耳のそばで声がした
みどりいろの小さな悪魔みたいなイキモノが
あ ....
日長の夕暮れ
優しい風が吹いている
すやすや
泊まり木の 揺れる
若葉は しっとり
シロツメの葉に ひしゃく星の
ぽつり
我はポエット
作り出すために作り出された詩人
君よ知るやその三原則
狂気の凶器と正気の凶器{引用=まず、詩はヒトに危害を加えてはならない。
危険を看過するのもいけない。
次に、詩はヒトの ....
かんだかい悲鳴で目が覚める
でもそれはちがかった
醒めたのは覚醒の産声
もう後ろには下がることが
できなかった
今まですれ違った人達は
世界の何%だろうか
今 ....
歪んだ真珠を抱え込む
背中を丸めた少女たち
世界は平衡をなくし
遠近法は意味をなさない
耳元でささやくのは
畸形の妖精
足元にうごめくのは
手足をなくした娼婦
....
090529
渚にて
渚に波が
押し寄せて
愉快な仲間が
溺死する
フナムシ
ヒトデ
カブトガニ
青い血液抜き取られ
渚の隅で息絶える
....
俺の不安は
俺のファン
どこまでもつきまとう
狂信的な不安
どんなに迷惑を被っても
こいつは警察も捕まえてくれない
心の中にあるものからは
決して逃げられない
俺はこい ....
もし99%の暗闇に
世界が覆われていても
たった1%の光の原石を
この掌に握りしめ
深夜の淵に、独り立つ
ぼくのこころはちいさいから
ささいなことですぐにいっぱいになる
いっぱいになったこころでは
ほかのささいなことをかんじられない
だからぼくは深呼吸をする
いっぱいにすい ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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