かつて
じくじくと赤みを晒して
生々しくも痛々しく負った傷が
見事なまでに肉に覆われて
今は消えた
永劫
治ることなどないと思っていたけれど
その確信すら消えて流れた
そうして ....
あなただけしか知らない秘密があって
あなただけしか知らないってことが私の秘密で
私たちはそうやって誰にも知られないように
秘密をつむいでゆく
身軽な体は躊躇せず
次のターゲットを見つけ
ヒラヒラと踊り舞う
あなたの瞳にうつる線香花火
虫、土のにおい
生あたたかい風
首筋ににじんだ汗
二の腕に感じる体温
濡れた睫
子供がはしゃぐ声
束の間の沈黙
堪えきれずため息
....
こぼれてしまう
僕の宇宙がこぼれてしまう
こんな小さなコップじゃ駄目なんだ
広がり続ける僕の宇宙を受け止めるには
壊れてしまう
僕のコップが壊れてしまう
全ての宇宙が流れ出てし ....
あなたのことばは あたしにささる
まるで十字架に手足を繋ぎとめている楔のように
君を洗脳できるほどの言葉をわたしは持ち合わせてはいないけれど
できることならせめて、わたしはあなたの ....
ころころ転がる
ボールのような毎日を
思うように転がせなくて
焦ってしまったり
怒ってしまったり
ぶつけて傷ついたり
気が抜けて凹んだり
それでもまた
弾みをつけて出かける ....
朝は晴れ晴れと
色とりどりのアヤメの中歩く
季節六月、紫陽花の花
朝は晴れ晴れと
君を見てアヤメの中歩く
季節六月、紫陽花の花
言葉を交わす余裕なく
六月晴れ渡る梅雨入り前
紫 ....
ラブレターを貰った
愛を知らず
僕の愛を心から受け取れなかった君から今朝
ラブレターを貰った
嬉しくて
泣いてしまって
ありがとうが言えない
君に ....
ぽつり ぽつりと
雨が小さく落ちてくる
いまだ線にならない幼い雨は
歩いていた人々の足を速くさせた
あまりにも突然のことだったので
傘を持つ人は少なく
みんな冷たい思いをしながら
仕方な ....
なんて不思議
溶けちゃうみたいよ
頭のさきっぽから変な液体出てないかな?
浮かれてる?
そうさそりゃ浮かれてるのさ
あの娘と手を握ったよ
お日様がむんむんと
受け入れ ....
午後
カーテンのすきまから
迷いこんできた空想がひらひらと漂う
うまく捕まえることができずに
言葉にならないので
そのままにした
きっと
そのままの方が良いのだと
勝手な理由を知る ....
文鳥は
帰ることができませんでした
あんなにうとましく思えた
ステンレェスが
今では
こんなにも
いとおしく想えるだなんて
文鳥は
....
あいつは サイダーばっかり飲んで
おれの言うことなど聞いちゃいない
あいつは またスカバンドから分けてもらったっていう
うさんくせー煙草を吸ってハイになってる
へー押入れの中には蛍光灯の光あふ ....
あなたは言葉を使う
擬音語、擬態語、メタファー、イデア。
言葉は終わってしまった。
映像にも、音楽にも、後を託すこともできずに。
あなたは、知っている。
終わ ....
にじむ揺れる手のひらと
花の匂い
暗室で二人はまるい話をおとす
「小さくかたまり、何もできなくなりたい」
きっと忘れる
暗い狭い手の中
ただ物言わぬ路頭の人たちと
ほんの数ミリの ....
イデオロギーの対立なんかじゃない、
みんな、わがままになっただけだ。
政治家も学者も社長も、詩人さえも
伝わらないようにするのに必死だ。
偉い人たちは、みんな
....
是非にと所望された電柱
お前の未来は明るい
お前の姉さんはおととい
嫁いだばかりで戻ってきた
カラスの巣はハンガー
ハンガーとハンガーとハンガーで
流動的なヒナたちが
どこで育っているの ....
違和感が部屋の隅で静かに息をしている
仲良くなろうと手を伸ばすが
その手を握り返してくれるのは
くしゃくしゃになった今朝の新聞だけだ
カレンダーと共に踊っている間に
....
もう新しい朝が来た
まだ何も終わっちゃいないのに
どう見えるかは知らないが
ただ祈り続けたいだけなのに
空に煌めく金色が聴こえたら
目覚めることから始めなくてはいけない
可か不可か ....
絶望の夜に生まれてきたわたしの
千切れた翼をそっと撫でて欲しい
満月の夜には傘を差して歩こう
堰き止めた心が零れてしまうから
吐き出した言葉が砕けた鏡のように
いくつものわたしを誰か ....
屈辱
禮禍幸忌
となりの芝生
Y氏の隣人
グレートマザー
鈍い頭痛
遠く尖った耳鳴り
想像力
想像力
ビートルズを敢えて避けて
辿り着いたら想像力
喜劇!喜劇!喜劇!
人生!人 ....
暑さにうなだれている名も知らない花は
剥がれかけたマニキュアと同じ色をしていた
使われているひとつひとつの配色が
くっきりとしたものばかりなのは何故だろう
まぜこぜしないのがこの季節で
....
人間に生まれて
それゆえに
宇宙の事や
人類の進化の歴史や
その他 いろんな事
難しいことも
学びたいと思う
*
父と母がなぜか結びつき
私が ....
生きているよ
今も
泥みたいにね
暗い部屋で小さくなってる君
外に出してあげたくて
心を涙で浸すんだ
優しい涙
君は頑張りやさんだから
誰にも甘えられなくて
沢山の気持ちは小さくなって
....
初恋。思い出と呼ぶにはあまりに拙い後悔
ぼくは確かに恋をしていた
あの頃
あの頃
あの頃
この胸の裡に何度呟いても消えないこの想い
ぼくは男の子で
彼女は女の ....
おおきいひとと ちいさいひとと
こっちの部屋に集まって
大騒ぎで追いかけっこしている
あっちの部屋の
ちいさくなったおおきいひとが
熱心に見ている
かたつむ ....
季節を冷ますように降る雨に
一羽の鳥が耐えている
凍える鳥は自分を哀れだとは思わない
だからといって
鳥に悲しみがないと思うのは間違いで
たとえそれが哀れに見える鳥を見た
自分の ....
海面を泳ぐ光の青を捕まえようとして手を伸ばしてみる
伸ばしても
伸ばしても
届かない両手をばたつかせて
それでも懸命にもがく君の
溺れそうな
沈みそうな平泳ぎが僕は好きなのさ
夏はもう、
すぐ ....
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