ビルの隙間に潜り込んだ切ないアイデンティティの死にざまは破裂気味、増えすぎた膿が皮膚を破いて躍り出るみたいな予感、曇り空からはいつか覆い隠した感情が疲れた雪のように降り注ぐ、もう飽 ....
ガラスの向こう側には
透けた理想があって
それはいつまでも
あたしに届かないものだった
封を切った手紙は
ホームの側で泣いていた
小さな意思には無関係で
宵闇が鼓動を押して
満 ....
遠く
高くそびえる都会が
自らのまく煙と朝靄に溶けて
蜃気楼に見える日があった
どこか浮遊して見えるそれは
リアリティーを失って
....
神田方面から三越本店を通り過ぎた
交差点の向こう側が日本橋だ
高速道路が橋の上を覆って景観が
損なわれているとテレビでも書籍
でも当たり前のように言ってるか
らゴチャゴチャ閉塞的な景観に ....
深夜、スタンドの灯りの下で
古書を開き、ふと顔を上げれば
暗がりから、祖母の遺影が微笑み
隣には、先月三途の川を渡って逝った
富山の伯父の葬儀に行った
お礼に贈られた
金箔 ....
ゆれると
たおれそうになる
吊り革を握っているのに
空を見ようとしても
天井にぶつかって
視線は戻ってくる
乾いた目の表面から内部をみると
中身のぬけた卵の殻が
遺骨のような卵の殻 ....
決して口にはしなくとも
(愛を生きる)と呟いて
今日という日を過ごしたら
目に映る周囲の人々が
いつも以上に潤わしい
家族の空気を帯びていた
そんな時は決まって
棒 ....
090709
真っ暗な
点字図書館で
目が覚めた
真っ暗で何も見えない
見えないから
目が無くなった
触れられないから
指が無くなった
怖くて ....
今日も月が出ていない
夢の中で迷わないように
照らしてくれる
君がいない
ぼくの願いをいつも黙って聞いてくれる
無口な君だけど
そっとあの子に伝えてくれる
ほんとは気のいいやつな ....
たとえば身に覚えの無いことで
誰かに文句を言われたならば
(すみません)とたった一言呟けば
事物は流れてゆくのです
流れるものは
流れるままに放っておいて
この世のことには ....
夜風に吹かれて
直立する空洞
枯れた片葉の蘆を
遅れて通過する
昨日の嵐
穏やかな朝はかなりヤバイ
いっそどしゃ降りになればいいのに
心地良い風がテンションを萎えさせる
「もう駄目かな」を踏みつけて歩き出す
みぞおちのあたりの不確かな重みが
慢性的な吐き気 ....
本の中で誰かが良いことをいった
愛する人がお返しに何かを求めたら、それは愛ではないんだと…
わかってる
よくわかってる
あれは愛じゃなかった
そうだよね?
ひさしぶりにバスに乗ってどこかに行こうかと
バス停のベンチに座ってぼんやり空を眺めていたら
ゴロゴロ雷が鳴りだしてどんより重たそうな雲が湧いてきた
ぽつぽつと額にあめがあたりはじめる ....
陰鬱な雨音が窓辺に滲みて
低くつづく唸り声と
さかんな水飛沫とともに
霧中に奔り去る夢の銀輪たち
仄暗い部屋で
目覚めると
突如、
胸に激しい痛みを覚えた
良くない
一日の訪 ....
君の優しい声が鼓膜に響く
諦めよう、と 睫と睫に囲まれた風景 遮断する心づもりでいたんだ 僕は
パシャッパシャッ……乾いたシャッター音響かせて
瞳の向こう側 身を捩る動体
“あちら”は作り ....
廃屋となった家の二階で古いペダル式オルガンが泣いているのが聞こえる。
わたしはその隣で寝ていたのに。ごめんね。
家の主はもうきっとそこには帰れない。でも忘れない。忘れない。柔らかな音色。
....
偶数月は呼吸が苦しい
奇数の月は頭痛が痛い
『痛』が2つで ツーッ、ツーッ
―― 貴方のおかけになった番号は、
現在使われておりません。
電話番号をお確かめの上、
改めて、おかけな ....
「大丈夫だよ」と
いつも笑顔で言ってくれる
あなたの後ろ姿が
本当はいつも悲しい
それは
あなたの言葉を悲しく思うわたしと
あなたが抱えている悲しみのせいだと
わたしは本当に ....
01
冷蔵庫売り場で火遊びをしている少年のシャツは裏返っていて、肌がまぶしい。
02
扇風機の真似をする君が、今日は朝から羽が壊れて、うまく首が振れない。
03
アイロン ....
種はいらない
白い鱗茎
むかごを抱いて
鬼と呼び虎と呼び
しかし人は喰らった
白い鱗茎
鬼と呼ばれ虎と呼ばれ
猛き名をもち
庭に立ち日を浴びて
うつむいている
だが笑っ ....
夢が終われば
朝、洋服が別れを告げて
真空に溶け出した液体に奪われた体温を水を流し
下手くそな口笛を聞いた
燃えていくタバコは無口な人の話す理由
一本足の灰皿
ガソ ....
090709
薄味がお好みでと
店員さんはにこにこ笑う
目の中に在るのはなんだ
酸漿を膨らましている子供たちに別れを告げて
高尾山に登る
新高 ....
眠れない夜には音の無い部屋。
世界にたった一人だけ。
誰も信じられないのに来るはずもない人を想う。
文字の羅列が束の間今を忘れさせる。
誰もあたしを知らなくても、
あたしは貴方だけを知ってい ....
会えるかしれないと目指した河原を
どこへそこを
行ってしまうのかとサングラスを
眺めていたような 何の匂いもしない
外された上を泳いでいる
この世界を歩み
魚たちを描いた青い水が
続 ....
ため息をついて探していた
どこへいくのだろうと けれど
私は いくことで
私にただ生き続けられる しかし
私にたしかであってほしいそこに
空だったここに
ないその石をうまれさせられてい ....
いつも少し
とだけ言うから
わかってる
いつも少し
としか
かけてあげる
言葉がないのだから
それ以上は言わない
どんなに
悲しく見えても
言わないことで
....
あなたは もう いない
面白ければ、とことん誉めてください。
言われたものが恥ずかしくなるほど。
言われたものが、気づけばそれを続けています。
面白くなければ、とことん無視してください。
言われなかったものが全く ....
ただ一夜でも
愛は本物だったよ
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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