職場
北側にある給茶室
窓の外から
もくもく、と音がした
お茶を注ぐ手を止めて
眩しいほうに目をやると
昨日までの雲とは
まさに雲泥の差の
白くて大きな積乱 ....
ほとばしる水をすくって
いらなくなった角質を
きれいに洗い流したら
南南東に向かって
窓を開け放つ
とれたての空気を
頭の中に吹き込んだら
多面体の自分が
きらきら回り出す
....
簡単に手で曲げられる
針金のように
くいっくいっと
あらゆる方向へ折る
まっすぐだったものを
曲げたくはないけど
その方が使えるなら
ちょっとくらい
好きな色は?
と聞かれて
返答に窮する
好きな色は毎日同じではない
座右の銘のように
色が毎日同じにしか
見えないなら
絵は描かない
数値の色は正しい
誰でも同じは
誰でもいいのだ ....
野原を歩いていた
深い霧の中を
ひとりで歩いていると
子供の頃に飼っていた犬に出会った
犬はうれしそうに
ペロペロと私の手をなめた
野原を歩いていた
私を呼ぶ声がしたので
振り返る ....
2本のギターが
壁に寄りかかり
ひとつは背後に隠れ
倒れぬように、支えている
もうひとつは
傾きながら、立っている
自分の力であるかのように
背後の支えに、気づかずに
....
電気を消した暗い部屋で
月明かりの射す窓に向かって
扇風機よ
お前はやけに
凛とまっすぐ立ってるなぁ
夜風にふくらむカーテンと
何かを話しているようだ
同郷の人と
東京で会った
訛りが残っていた
変わりなくて
安心した
けれどモカマタリを注文する時
様子が違っていた
また昔のように話す
しばらくして
モカマタリが運ば ....
孤独を封じ込めた六面体。
固いドアに背を向け、
唯一の窓に目を向け。
空を制した鳥が舞う。
そこはひどくシンプルで、
誰の指図も許さない。
“ 揺るがない場所 ”
....
偽善でいい
100万の人全てを幸福には出来ない
どこかで誰かが死んで
飢えてる
人は不幸せで生まれてくる
不幸せを知っているから他人にも手を差し延べられる
転んで つまずいた ....
飾らないきみの生き方に惹かれて
俺は爪弾いた
きみが今どの辺か想像してみる
あの頃 きみが少し見せてくれた未来の
ほんの少し手前の堤防を俺は
両手でバランスとりながら
なんとか歩んで ....
わらったの
そのために
わらったの
少し甘いものを食べたの
お母さんが最後に
あかい
あかい
*
最後に残したお ....
*
ゆめの形をたどって
かくある という言葉を
隠しておく
あなた
小さくうなずくのは
あなたではなく
*
空間を触る
*
歌
*
おお ....
ロキッシュデザートで新しい靴を買ったら
そろそろお前に会いに行こう
ずっとすっぽかしてた約束 忘れてたわけじゃないさ
俺も空の色をそろそろ考える頃なのさ
リズムなんか時々きまぐれ それでい ....
顔に思わされた喜び
きしめんを食べさせられては
その紙に通す私は
口にしてみる平等宣言
勇者は加え込んで
立つことで失われた
街の中に何らかの
人の中で
平等宣言をこの手に
....
光は 音を駆け抜けていった
目なのだろうか
しくしく吹いているのだと一つの
思わされていたその中に
やりかたにいる 人
時に街を忘れた
歩けば知ることができた
人に立たされていて
....
夏が来るたびに扇風機は首を振り続ける
いつかの断り切れなかった言葉を振り切るように
ついには羽根を回す軸が歪み始めて
一人前のプロペラみたいに効果音を出している
あの夏に買った ....
【UNDER the NEW MOON】
月を見ながら囁いた君の声
僕は同じ月の下でそれを聴いているよ
どれだけ離れていても心はひとつ
そう言った君の ....
押せば
また
始まるだけ
僕は虫籠の中で 君と話している
無邪気な網はいつも心たちを翻弄して
突然小さな籠に閉じ込めてしまう
僕らは籠の中だとも知らずに彷徨う
(くるくると)
弄ばれた仲間たちに次々と ....
ようこそ、御二人様
憂き世からの逃げ場
紙幣と紙券(チケツト)換えて
その重い鞄は置いて
此処から先は御法度
プライバシー護る箱
狭さこそがサービス
どうぞ、で身乗り出す
交差 ....
よるにむかって、
てを、
のばしてみた。
誰かが迎えに来そうで、
怖い。
誰もいないことを確認して、
恐怖がつのる。
よるのくうきが、
わたしを、
引き裂きにやってくる。
....
堕ちていく純白の天使は
悪魔にでもうちおとされでもしたのだろうか
かれこれ何年も生きてきたけど
思い出をおもいだそうとしても
綺麗な青空の下の出来事が思いだせなかった
閉 ....
ことばは何に支えられているの
きみの口がにくい
いつだって嘘を孕んでいるくせに
あたかもそこにある、
ひとつのリンゴのようなフリをしている
(それは限りなく現実のようなもの)
....
きれいに舗装されていない夜道は
鳥目のわたしには危なっかしく
雨上がりであることも重なって
慣れた道なのにつまづいてしまう
自動販売機にコインを入れ
ミネラルウォーターのボタンを押す ....
煙草の煙が雲をかき消した
それは自由を羨む
私のささやかな抵抗なのかもしれない
降り注ぐ陽光は きっと
街を歪める様に
足元をすくう様に
はたまた、眩暈を誘うように
一歩 ....
「採光をイメージして。」
ことばを書き足していくことに
意味は、ない ときみは言った。
だがそれは本当か?
以前きみに小さめの腕時計をあげたとき
進め!進め!と念じてみせてくれたね。
....
彼女と気持ちだけ通じあって
その翌日から鳴きだした
セミが鳴いている
ぼくには妻がいる
彼女には彼がいる
宇宙のからくりのなかで
僕らは愛しあい切なくなる
....
これが恋なら残酷すぎる
目の前で繰り広げられるあなたとの
(やめて、と声が出せていたら)
今、刃物を持って歩道を歩いている私はあぶない人
いつ通報されるかわからないのに冷静で
あなた ....
生き急いだ
血中に溶け入った
トルネードの目論見は
ものの見事に外 ....
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