もう、行かねえよ
っていつも言う。
意味なんて無いから
何回だって言える。
怖くないよ。
知っているから。
あなたとあたしと、せかい
これから、どうなるか。
....
一体どんな違いがあるのだろう?
夏日の照りつけるアスファルトの上
ゆらゆらと
{ルビ陽炎=かげろう}になって今日の食物を探す
あの家のない人と
駅の構内に日がな坐り
10円 ....
真実という字全体にニンベンをつけて、
あまった勢いで。
どんなスプーンよりも
甘いささやきよりも、深く、えぐって。
そのささやかな穴に、
あたしのまんなかに空いた、へこんだ乳 ....
「見て、B-29よ。」
一九四五年のある夏の日、
私の頭上にあるのは夢でも希望でもなく
死神の翼でした。
終戦間近、戦火を免れ長閑さの残る片田舎の少女だった私に
戦闘機の名前など区別 ....
生きるも地獄
死んでも地獄
辛いだけの世の中を
思いのままに駆けてみて
精一杯に生きてみて
やるだけやったら
その後は
野に首(こうべ)を垂らして
大地を枕の
野垂れ死に
野に ....
何処から枯れて往くのか
それは末端と相場は決まつているのか
箍が外れたような浮揚感
霊長類かどうかを計るのか
俺を司る心体の両軸
その片一方のちぇえんが外れた
23個の頭蓋骨の ....
悪口を陰で言うのと
本人に聞こえるように言うのと
どちらが罪深いか考えながら歩いていると
小国分立状態の教室に着いてしまった
鮮やかな髪飾りの女子たちは輪になって
あちこちに固まっている ....
世界について
わかっていることもあるが
わからないこともある
例えば神経伝達物質について
セロトニンやドーパミン、ノルアドレナリンの働きや
それらが各個体の性格や特徴とど ....
ぼくがかぶるのは袋型の白衣
たるんだすそのしたで
死んだ母たちがわらっている
ぼくはもう死んでいるから
晴れた日には川にでかけ
身投げした父たちを釣り上げる
ぼくがたべるのは ....
昼間に鳴いた狼は間違っているのだろうか? ぼくは考えた。 昼間に鳴いた狼は遠吠えなのだろうか? もし遠吠えなら、何故昼間なのだろうか? ぼくは、狼が夜に遠吠えをするものだと思っている。夜、仲間を呼ぶ ....
プラスチックの板に
七センチの穴が空いていて
父にそれを手渡されて
手伝いがはじまった
実家での農作業は
ずいぶんと久しぶりで
この蒸し上がった季節に
汗の一つもたらそうかという
....
介護をしている
たくさんの利用者様に囲まれて
職場の仲間と一緒に
私情をはさんじゃいけない
僕のつらさは
利用者様に伝えちゃいけない
でも
僕も人間だから
ほんの少しもれてしまって ....
夜空を見上げると
あの人が
瞬いている
あの頃の輝きで
あの頃の若さのままで
バスを待っている
今はもう
どこにもいない
あの人が
今もそこで
待っている
....
雨は降っているのだが
戸の外には何も聞こえない
雨の音も聞こえない
雨は降っているのだが
雨の音が話し声を吸い込む
雨の音が足音を吸い込む
雨の音が溜息を吸い込む
雨の音が泣き声を吸 ....
風はどこからくるのか
行方もわからなければ
くる場所さえわからない
それはわたしが
生まれた理由と同じ
自分には風がないと
あなたは云う
わたしにはみえる
あなたの風
....
わたしにはわたしが見えて、わたしはわたしに会いたかったのに母はわたしに会わせてはくれないどころかわたしには狐がとり憑いたのだと言います
わたしはわたしに会いたいだけなのに、です
わたしが向 ....
帰ったら
ご飯を食べようね
バス停前のあの本屋
きっとこの頃は
思い過ごしているのだろう
傘の下のせまい
湿った毛色がとろりと風邪をひく
濃いすみれのようなのは
浮ついた午 ....
泳ぎ乍眠り乍勝手に死んでくれたまへ
あの飛行船を撃ち落とせ
春夏秋冬が浮上させる
渦巻いてるコエ
エコー聞こえ
ミかソ
剥がれた肌が
積まれた封筒
....
机の上で眠る君の後ろの席の彼に
用があって近付いた
君に背中を向けて彼と話しているとき
君は起き上がって
私の背中の方を向いた
君が話を遮る
....
わたしが生まれるよりうんと昔に
他界してしまった母方の祖父は
実直で陽気なひとだったと言う
わたしが高校の制服に袖を通して間もなく
他界してしまった母方の祖母は
大変に気の強いひとだ ....
あめのにおい
なめくじのあと
たちどまるこいぬ
がらすのきらきら
すてーきのおと
きれいないろ
どこにいても
なにをしてても
あたしはなく
なく
....
井の中の蛙を掌にのせて
珍しそうに眺めながら
「大丈夫だよ」と彼女は
うわのそらでつぶやいた
程好いぬくもりにとろけて
居眠りしていた蛙は
「大丈夫だよ」という言葉を
うっかり「好き ....
けだものの背があり
けだものの背がある
やわらかく
灰を向く
鏡の内外
笛と白と波
銀は常に銀をゆく
金と緑のなかをゆく
芯のふたつある蝋燭
冥王 ....
かぜをかじり ひかりをなめ
くもをすすり かげをのみほし
ふやけたアベニューをふらつく
regretのなみだをためて
せみしぐれがおいかけてくる
「いまをいきるんだ ....
草の葉がこすれ 香る
小さなからだを 大きく横たえ
突き抜ける空を眺めた
輝く太陽が おれの目を細くし
やがて 真っ白な世界を作り上げる
すべてがひとつにでもなったかのような
幻の時間 ....
朝
目を開けなくとも蝉が鳴いている
目を開けなくともあなたの部屋にわたしがいる
けれど、目を開けて
眠るこの部屋のあなたを確かめる
蝉が蝉が鳴いている、ああ、夏なのだ
翅の ....
そうだったから
それだけのことで
それだけの
ことだから が いつでもの
僕のシャツの端っこを
引っぱっている
ある日 の
そうだったから が
ふと 尋ねてみたくなった
それだ ....
知らないことは
罪ではない
知らないふりをするだけで
憎悪に気づかずに生きていける
わたしたちの
暮らしもあるけれど
あるいは
あった
とも言える
今あるものは
す ....
朝という朝の綴じ目があいて
空が少しずつ明度をあげていく
鳥と電線と鳥と蟻たちと
まだ鳴き声はない蝉としかいない
ウォー
アイニー
声には振り向くこともなく開き続け ....
足のままに進んでいく生き物
飛んでいる海猫を見た
自分に何かを思いながら生きていた
不完全なままの僕がいた
君はどこへ行くのか知らないが
疲れ切っているよう
死にかけた体は
忘却を瞑 ....
3654 3655 3656 3657 3658 3659 3660 3661 3662 3663 3664 3665 3666 3667 3668 3669 3670 3671 3672 3673 3674 3675 3676 3677 3678 3679 3680 3681 3682 3683 3684 3685 3686 3687 3688 3689 3690 3691 3692 3693 3694
【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
4.36sec.