階段を昇降する足音が聞こえる
非常口を開けると足音は止み
階段も非常口もないことに気づいた私は
宇宙空間にただ一人浮かんでいるのだった
かつてそこで生まれて死んだ
惑星の欠片のよ ....
昔から、白い湖にはアンボビウムが咲いていた。
空を見ると黒い雨が降り、遠くをのぞむと、赤い丘に白い雨が降っていた。そっちには行きたくなかった。
赤と白が交ざり、 ....
出会いがいけなかったね
あれがなかったら私達は付き合ってなかった
ごめんなさい
貴方が好きじゃない
メールしてても
電話してても
デートしてる時だって
無理してる
....
ひとりで立っている男の子が好きなんだ、
よりかからない 人でなくちゃ
うそをついた 街の影
きみは、その言葉を 薬のように飲み込んだ
ごめんね でも
きっと役にたつときが、やってくるはず ....
藍色の男は
熱風に散らされた
陽のオレンジを求め
砂漠の旅をする
橙色の女は
夜にただひとり
星を眺め
花言葉を紡ぐ
星を見ない男と
渇くことのない女は
鳥たちの涙を誘い
....
心が空っぽになって
不感症になって
生きてる感覚を忘れる
全部が嘘になって
何を見ても触っても
感じないの
そしたら暗闇がやってきて
死んじゃえ
右手に剃刀を握って
....
突き抜けていく
君の名前はなんだっけ
ノー ネーム
あれだ
味わったことのない射精感が欲しいんだ
永遠どこにもない欲望
虚数に近いと言われても
その数がないからな
求めて求めて
砂漠 ....
『テイルとダッタの兄弟は森に逃げ出したが兄のダッタは嫉妬からテイルを殺し神様は何をしているダッタお前はまさか弟を殺しているのか?はい神様私は一人で夜だっ
彼は電車になっている
どうも姿が見 ....
【Lullaby】
いつだってそうして片意地張って背中を向けるの
まるで私の存在なんてあなたの中には無いみたい
だからサヨナラするのよ
釣り合わない愛など ....
私の中の生々しさを愛して欲しいのです
紺色の制服に包まれた私の中の生々しさを
甘くコーティングされたキャンディの気持ちがわかりますか
捨てられたかわいいくまのぬいぐるみ
舐め尽くされたキャンデ ....
夜の公園を手放されていく
そこに何かとしてではなく 座り込むように
立ち止まろうとして根っ子にさせられた体から
体として 出した手に取るように
思いを寄せる袋のコインの一つを立とうとしてい ....
金魚がおおきくなりました
もうポイではすくえないくらいです
まるまると太った金魚さんは
キビキビと水槽を泳ぎ回ります
その様子を見るのが
楽しくて仕方ありません
餌をあげるつも ....
立ち尽くす
十字路で
しゃがみ込む
十字路で
何かを落としたようで
何かが零れたようで
しゃがみ込んで見ても
何も見当たらない
手探りしても
何も掴めない
確かに、零れたよ ....
僕はクレヨン
友達に冷たくされてブルーな気分
ひとりぼっちは寂しいよ
僕はクレヨン
君に恋して高鳴る心臓
毛細血管活発化
おかげで頬っぺた真っ赤っ赤
僕はクレヨン
ジャンクフー ....
いつもよりゆっくりに
同じ場面を進んでいる
足踏みが一歩多いよな
グラデーションは
秋の日と夏の終わりの
何者へと変化してゆくのかしら 静かにアタシは
木の ....
唇に触れ
歯を撫で
咽を滑り
丁寧に体の線を通る水の清らかさより哀しく
わたしの隙間を見せつける夜の光に
世界中そこかしこ全てへと
わたしの居場所を散りばめたく(囁き教えたく)なる衝動ひと ....
なんでなんだろうね。
まあ、この間の続きだけど、昼間の公園も悪くないよね。
犬も猫も見られるし。あ、ちなみに見れるってのは間違った日本語だからね。
ら抜き言葉っていうんだよ。着れると ....
受けたくもない
カイゴフクシシの書類に貼る
証明写真を撮るために
3分写真の小部屋に、入る。
頭と顎を
正面に映る自画像の
上と下の曲線に嵌めて
にぃっと一人、笑ってみ ....
夜の街を歩く僕はがらんどうで、容赦なく風は僕を通り抜けるのだから僕はまさしくがらんどうそのもので、だけれど僕が見ている街の景色、例えばオレンジ色の街路灯、海まで続くと訊いた道、車のエンジン音には確かに ....
今飲んでる。さっき殺めた君の血だよ。
君の最期を看取ってあげた。
死にたくて仕方ない君を殺してあげたよ。
待ってて。僕もすぐ後を追うから。
君を一人にはさせない。
二人で ....
私という一艘の船は、ふたたび羅針盤の針を航路に向けるか?
心の空には、あの遠い記憶の鶴が舞い戻って来るか?
風の唄声は、幾重もの{ルビ小波=さざなみ}の上を息吹くか?
深い海から吸い寄せら ....
わたしの持つ薬はどれも白いから
毎晩飲む度にわたしは呆けていく
(わたしがその日あかくてもみどりでも幸福なきいろでも)
あまり仲がよろしくない為に
ねむりを思い出すのに2、3時間を要してしまう ....
安っぽいネックレスに
ラズベリーの色がしみついて
ドライブの途中
夜明けを待たずに
海へ着いてしまうよ
ハイウェイの甘いライトは
ちょっと刹那的だよね
レコードの針が折れちゃった ....
ユーフラテス川
という川の名前が
何故か印象から消えないのは
ユーラシア
ユグドラシル
など
ユから始まる名前が
好きだから
なのかもしれない
もし世界がユから始まるなら
僕はなん ....
もしもなんて
所詮どこにもない
ここに生きている事実はくつがえらない
わたしたちは観念して謳歌するしかないのです
疑いも醜い感情も溶かして
夢の軋む音に耳を澄ませて
わたし ....
いつも同じだった
互いに
別れ際のことばが
見つからなくて
何か言いたげな
眼差しが
さみしいのに
見つからないのだ
終わりではなく
始まりの別れ
別れ際の
掌の温もり
熱い光はただ重なって
そっと重ねられて
渋滞した道でせわしなく鳴るクラクションも
軽やかに散歩する犬の太くて短い声も
光に飲み込まれてかき混ぜられて
珈琲に落としたミルクみたいにぐる ....
流線形を手がかりに
ピースを一つはめてみた
ぴったり落ち着くことが楽しくて
暇潰しではなくなっていた
ピースが足りないから毎日のように探し歩いた
埃の積もるベッドの下
ジレンマの隙 ....
いつだって僕は
誰かに操られて生きているそばにいてくれる人は
いつもどこかへ行ってしまう。
独りぼっちは嫌だよ
僕を独りにしないで
叫びたいのに叫べない
僕には言える口がないか ....
宇宙が目眩をおぼえている間
数億年の細胞 私達はその目眩の中を浮かぶ旋回する銀の羽根
{ルビ彼=か}の呼吸によって翻弄される綿毛
延々と降下 そこに支配などない
人が花びらを一片一片千切る ....
3600 3601 3602 3603 3604 3605 3606 3607 3608 3609 3610 3611 3612 3613 3614 3615 3616 3617 3618 3619 3620 3621 3622 3623 3624 3625 3626 3627 3628 3629 3630 3631 3632 3633 3634 3635 3636 3637 3638 3639 3640
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