日陰の会社の片隅で
暗い私の机の下で
陰惨なカビの生えた気持ちのわるい
白いオウムが喋り出す
粟のカスがついた嘴で
私の脛毛を執拗に抜きながら
幽霊のようにオウムが ....
ホットサンドを握った指で擦る
胡椒の煙が気持ちいい
愛されてるピカピカのテーブル
夜風の頭上
月はちょっと遠いけど
うとうとしちゃって
楽しい
ねえアリス、私わかった気付いたんだ神様はいないって
昨日の朝ヘッドフォンで耳をふさいで散歩して太陽の光を見ていたら、気付いたんだ
それでね、私がなぜこんな地上の道を歩いているかと言うと、それは愚か ....
わたしたち、結婚しました
うす桃色の踊るような文字と
着物姿で微笑みあう男女の写真
はがきを持つ指の腹から
じわりじわりとあったかさが
組織の中まで浸透してくる
温度の正体をはっき ....
ま、なんていうか
焦っていろいろやっても
うまくいかないから
今日はわざと遅刻なんかしてみるんだ
ペダルこぐスピード4分の3にしたら
違う高校の女子が話す声とか
信号行き交う車の音とか ....
誠実な優しい彼です
わたしの手を握り/髪を柔らかく撫で
せいじつなやさしいかれです
(こどもはふたりほしいな)
一週間前に付き合い始めたばかりでわたしたちはまだ十九歳
年齢に逃げるわ ....
張り詰めていた
こわばっていた
一本の糸の上を
緊張して歩いた
一歩 一歩
まちがえないようにして
まっすぐであった
でも疲れてた
疲れてた
顔を上げたら
落 ....
髪型を変えました
心も変えられるかな
新しい服を着ています
あなたの知らないわたし
住む街を変えました
きのう仔犬をみつけました
ベランダにからまる蔓の緑を
....
夜の海ほど怖いものはない
宵闇の奥のさらにその奥から
打ち寄せる波の音色は
私の心を光の届かぬ深海にまで
攫ってしまいそうで
ひとつの物語が今日
終わってしまった
私の支 ....
さやかで悲しい朝なのに
夏の匂いをかぎました
感謝でむせぶ朝なのに
黒いこころもありました
ひとのこころはどうも遠くて
応酬ばかりのありさまでした
さやかで ....
・
エスカレーターに乗れば段を踏み外す
券売機のタッチ・パネルはいくら押しても反応しない
施錠をすれば鍵を無くす
自動ドアには挟まれる
わたしは
文明というものに適応するように
生まれつ ....
なぜ君に関係したものにしたんだろう
だから忘れられない
明け方はうっすら寒くて
冬はたしかに存在することに震える
割った石を硬い石で叩いて
形を整えて積みあげる
石と石との間には剃刀も通らない
石の壁は数百年を経ても崩れないで
空に近く雲をしたがえて
城塞と都市とを保っている
毎朝通勤電車の始発駅 ....
雲を切る
つめたい雨が
ひそやかに やってくる
街は、もう秋でした
はだに まとわりつくようなとおり雨に
好きなように ぬれてあるけば
どんな、誰が住んでいようと
わらいごえに ....
追憶の彼方に
太陽の浮かばぬ街で
金属音を鳴り響かせる
滅亡の刻は近い
悠久の地の果てへ
届かぬ風船を放つ
祭壇に飾った調べ
手探りで見極めた
真実という名の諧謔
....
当たり前の様に
季節は過ぎ去り
当たり前の様に
君は傍らに居て
真実は虚無だとか
運命は迷信だとか
そんな僕を好きな君が好き
当たり前の毎日が
失われない様に
当たり ....
さぁ謳い上げろ
拳を掲げて
命の咆哮を
曇り無き眼で見据えろ
鋼の心身で携えろ
口ずさんだなら邂逅
瞳を上げて進め
ほら、手の温もりが伝わるかい?
ほら、高鳴る心音が聴こえ ....
砂の中に手を入れて
指の上に残った一粒の小さな出会い
偶然って不思議だよね
存在すら知らずに過ぎてしまう事が多いのに
僕の前に現れてくれて
感謝しています
何も出来ない僕だけど
君の心の ....
自分は流れていく
何を流れていく ぼんやりと
月日ではないどこだろう
声もないようだ
きっと 言葉は続いていながら
言葉とともにここを思うこともなく
探していた 考えも どこかが
あ ....
公園で遊んで忘れたプラスチックのじょうろを
思い出せる自信がない
あの子を呼ぶ老婆の声
飴かチョコレート(とけかかった)
寒さを感じることなく
料理は鍋のふちに背伸びし
あくを注意 ....
■秋
すべての色を飲み込んで
ただ透明である、秋
■チャイム
夕陽が窓ガラスに映ったとき
風がいつも置き去りにするもの
■図書館
古びた新築の匂いがする
■デジャヴ
....
パキ、パキ
銀杏を剥いている
殻を出刃で叩いてその亀裂に爪を入れる
すると割れる
パキ
固い殻の中から翡翠のような実が見える
実を熱い鍋底に優しくこすりつけてやると ....
ぼくはあなたで
あなたはぼくで
そっくりそのまま
コピーしている
貼りつけている
ぼくの未来にあなたはなる
あなたの未来にぼくはなる
ぼくはあなたで
....
メンデルの裔
夏の夕方あちこちで
咲いていたのはオシロイバナです
長月白い風が立ち
花もこぶりになりました
黄昏時のいろいろを
呼び寄せていた花たちは
八月にはもう種もできてて
一 ....
物の怪同士
協定のようなものでもあったのか
逢魔ヶ刻
午後五時が一つの境のようだった
よくまぁこんな海で
と思うような灰色の海から引き上げて
ぞろぞろ歩きを始める海水浴客たち
海 ....
まっすぐに生きて行く
それ以上でも
以下でもない
ただ
suki
まっすぐに
{引用=
よせるみちしお
いわばをわたり
にじをみにゆく
まんげつのほお
かりのとぶそら
せなかにくらく
るりいろひかる
}
堅実な日々は
けっして実りがあるわけではなく
ひどい仕打ちを受けることもあるでしょう
ex.
微塵の雨の覚悟を持たぬ日の
折り畳み傘も無い晴れの日に
不意のどしゃぶり
....
揺れてる心
定まらないようで定まっている
進みたい方向はあるのに
躊躇しているだけ
悲しみで染まった心
鋼の扉の中に縮こまった
小さな欠片に形を変える
小さな窓から聞こえる
月 ....
蛍光と極彩が喧嘩をしていまして
それを見ていたパステルがコワいコワいと泣いたそうです
それは昨日のことですから
今はみんな仲良く
パステルを囲んで
いやぁ したたかな子です ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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