私は知っている
だから、
あなたとあの子の
秘密じゃない。
私は知っている
だけど、
あの子はあなたとの間の
秘密だと思ってる。
それも私は知っている
....
左手くすりゆび
おじいさんとおばあさん
とれない なんごう
思い出をかたる
いいこにしてるのに
いやなことばっかり
かみさまは宅録に夢中
ビートルズのカバーに夢中
....
その夜私達は走っていた
23時に閉まってしまう田舎の不便なコンビニ目指し
小雨に光る道を金木犀の香る闇を
友と名を呼び合いながら叫びながら笑いながら
その年はある国が消えようとしており世界は慌 ....
次にわたしたちは
何になるのかなってはなしになって
固体気体液体
名のないもの
しょくぶつ、どうぶつ
時計の針 はなびら 一本のくさ ひとすくいのみず
思いつくままに出してみる
け ....
昌平橋から万世橋へ
川面に揺れる提灯の
その先にある柳橋
ゆらりゆらゆら秋の宵
ガード下には赤提灯
ほろ酔い加減のカラスが数羽
家に帰らず蜷局(くだ)を巻き
その先にある止まり木に
....
手のひらから落っこちたのは
石ころよりも重たいものだったようだ
形や色が決まってなくて
ましてや本当に掴んでいたかも危うい
時に流されたんじゃない
僕が拳を緩めたからだ
....
レンズ越しに見える葬列
蛙の鳴き声に包まれて
猫背のわたしは
足跡のない欠けた部屋にいる
栗の木が窓の方へ手をのばして握手を求めるけど
押し出してくる風のせいにして逃げ出した
さっ ....
君の心はシャボン玉のように
フワフワ飛んでは パチンと消える
僕が君を守ろうと
そっとのばした この手のひらで
君の心を壊してしまう
どんな優しく包もうと
パチンと消える 虹色の ....
右手には紺のカバン
僕の大事な持ち物を
詰めていつも持ち歩く
左手には君の手
僕の大切な人の命を
握りながら練り歩く
気温は徐々に下がり
町に雨が降ってくる
左手は傘に変わり
....
好きでもない男と寝た位でなんで泣くの
そんなのよくある話じゃん
セフレとかゆうふざけた名前がちゃんとついてるし
なんでだろあの女の子のお話を聞いててもなんにも思わない
だってそれ以上の孤独や絶望なんて ....
君は悪魔
太陽に照らされて君の髪の毛ふわふわきらきら光って
美しさに泣きたくなる
泣きたくなるんだよ
でもラファエロ、私もう秘密を隠しておけない
太陽と夜の秘密にバイバイ
あなたは ....
まな板から
はみだしたしっぽの
先を掴みながら
開いてみた体からは
血は一滴も見つからなかった
変わりに
エーテルを失って
散りばめられることのなくなった
星達の塊の袋が
だらん ....
妹のチエと一緒にイタリアに行きました。
チエは、ピサの斜塔に会うとまっさきに
学校の近くの倒れかけた電柱のことを教えてあげました。
ピサの斜塔はにこっと微笑んで言いました。
「 ....
君に触れるのが怖いのです
君のやさしさが痛いのです
君の腕の温さを思い出すたびに
君の言葉がリフレインして
あたしの心臓が血を流すのです
君の声を思い出すたびに
君の視線にがんじが ....
ギリギリ他人が
言ってる健常のルール
リストカットしても
死なない程度は普通
知ってんだ
僕は君の傷のこと
ほんとはいつも
もう駄目なんだろ
世界の終わりが
毎日つきまとってる
....
話しかけたいというのか 声をかけたいというのか 何て言うのか とにかく 名前を呼びたいのです 別にこれといった用事がある訳でもなく どうしても 言わなければならないことや 是が非でも 聞いておかなけれ ....
君の白くて細い素足
踏みつけてはじめて、土が息を吹くのだろう
太陽が照らす中でその頬はやわらかく緩んでいた
ようなのだけど
※
泉の飛沫が鮮やかに虹を創り出していると
....
ゆゆ、ゆゆ、
押し付けるようにして
なくならない境界線を
いとおしくなぞる舌は
ちょっと邪魔、
だけど
ごらん
ぶざまなわたしたち
かっこわるいよ
他のだれに ....
どれだけ
つまらぬ嘘を聞いたら
あなたを嫌いになれますか
さびしがり屋の
つよがりをみせに やってくる
そんなあなたを
待ちくたびれ
生きていれば
いいこともあるさって
一緒 ....
体に毒を持つということは
他のものを寄せ付けない
そういう事になるのだろう
忌み嫌われる形ということは
周りから孤立する
そういう事になるのだろう
墓場に育ち
葉も無く
血を吐 ....
僕は 金を得すぎている
慎ましい あなたの暮らしの
財布に
こっそりと手をのばし
金をくすねて生きている
僕は生きていない 生きたい
電話を切った...
まるで、さよならみたいに...
メールを止めた...
まるで、さよならみたいに...
別れを告げた...
永遠のさよならを ....
一つの声、知るとき
この意味を、血をつけながら、
焼けただれた、十字架の
この空気の跡を、しるしのように、
お歯黒の上に、つけていく
道の下を、
青い地を這っていく、
影が、
鏡の中に 掘り返させられるように
光の破片が飛び交うのを感じた 僕は頬に手をやっていたかった
僕は窓辺に立っている
光を手にする 手の中に包み込むように
光を手にする 闇ではないものも
....
あ、
鈴虫が鳴いているぞ
あ、
夜空には、まんまる。――お月様だ
あ、
庭の草むらが揺れた
あ、
眼の光る、狸が一匹。
あう、
あぐらを ....
このからだの中に
海がある
真っ赤な血が
夜よりもくらい暗闇で
波打っている
今も確かに
沖のかもめが
今鳴いた
わたしの中で
確かに今
浜辺から続く道を
手 ....
すっかりまいったしらじらしいさ
嫌いなことは忘れてしまう
鼻咬んで ヨモギ踏んで
麦酒飲んでる
仕方ないさ人間は
人間である限りは
それでいいじゃないさ
爪を切る
爪はもう ....
夜
車を走らせていると路面には
頭から脳漿を垂れ流した犬がしんでいるのをよけつつ
あたらしい仕事を探そうかなどと
ニールヤングを聞く
ちょうどいい音楽だ
ちょうどいい音楽なのに ....
あの国に住むひとは
薬の常習者が多いそうだ
先日捕まったりしたのも
あの国のひとたちからすれば
仕事の性格上?織り込みずみなんだろうか
ぼくはいま阿Q正伝を読んでいる
そこにあ ....
寝間着からもれてくる水のにおいが
夜をかけてゆく
つるつると甘皮をはぐ物音も
虫がしんと鳴くともう閉じてしまって
ぼくは波紋に収束する
ことばの様だ
電気じかけなのに
くらやみが本の ....
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