あの子とつなぐ手
まだそのままで
ほんのりと
今朝鳴いたカラスは死神だったかもしれない
昼間通り過ぎたおばあちゃんは天使だったかもしれない
目方80kgのおっさんは閻魔だったかもしれない
家にいる猫は実は火星生まれで妹は実は姉かもしれない
....
・
どういうわけかうちのごみぶくろだけ
いつもあけられてしまって
中身がまき散らされているの
ある日曜の朝
母が困惑顔で言ったとき
それはきっと妹を狙う肉食獣の仕業に違いない
とわた ....
ここにいれば安全なのです
ここを出なくても 生きていける
そう、それならば…
違うのです
知っているのですから、外界の情報は、
過多になりすぎるほどに 手に余るほどに
だったら ....
「 赤イ羽根共同募金ノ御協力、オ願イイタシマス 」
後輩ふたりを左右に、僕はまん中で募金箱を首から下げて
通り過ぎゆく人々の誰かの胸へ、ひとつの声が届くよう
道化のふりした明るさで、一心に ....
中ではない言葉の
音楽にいた 湖を探して
音楽はあるというそこに手を
探していた 僕に上を 抱えた丘に
文庫本の見つめさせられるように 魚の
緑のを 外を風 見ていたそこの頭に
姿に ....
何だったの
さっきまでの手続き
色を合わせたワインカクテル
タクシーで装ったクール
暗闇に4つの光
互いのタクラミに
目を見張る
始まろうとする儀式に飾りはない
....
言葉にすると陳腐になるもの
例えば「愛してる」
一晩中煮込まれたビーフシチューのように
あらゆる種類の想いのエキスが溢れかえり
熱く熱く
そして
濃ゆく濃ゆく
あなたへのオリジナルな想い ....
大きな回遊魚が買い物に来て言う
「服はなるべく大人な方がいい」
静かに掴んだ胸ビレで
僕は世界を辿ってゆく
すべての気泡に魔法のようなメッセージ
色は求めれば彩り 忘れれば ....
苦木をかじろうとも
人に会わない
怨憎会苦
会うのが辛い
毎日楽しく
生きたい
毎日気分良く
生きたい
最近
好き嫌いが
はげしくなった。
悩んでいる。
さて十月は神無月
長月{ルビ晦=つごもり}三十日には
神さま帰省ラッシュです
出雲はいずこ
雲出る側
日出る向きとは反対です
神さま神さま
明日からは
ここの土地にはいなさらぬ ....
女を助手席から蹴り出して
さよならをした帰り道
青灰いろが焦げています
秋夜のむこうに燈るのです
燃えたのです
赤いパンティーが棄てられて
ペニスをくわえて貴女 ....
昼間の森からはまだあの不思議なメロディーが聴こえるからまだ大丈夫
氷の国の王子はどうしてるかなあ
月の国のあの娘は?
先生、私宮崎あおいになりたい
映画の中の君に
CANCA ....
神無月も近いのに
雨音
心の裏側を叩く
響いているのは
....
街が夜に溶け出すと
次第に鼓動強くなる気がして
俯けば何も見ずに
歩くこともできるだろう
それも無駄だと知っている
涙と時間は流れて落ちる
触れることはもう
叶わないかもしれ ....
絹のすれる音が、ひとひら
二枚、三枚と
声にならない音をたてて
深い闇に落ちていく
夕と夜の間に
音もなくまぎれこみ
ひとひら、ひとひら
落ちていく
....
私がモーリタニアでタコだった頃
あなたは宇宙船の乗組員だったので
私の姿に驚かず毎日キスしてくれたよね
私は画家を目指してたけど
人類の壁の前に泣いてばかりで
そんな私の手だか足だかを
あ ....
大人になった気がしたのは
砂糖もミルクも入れないコーヒーを飲んだときより
秋刀魚のはらわたを食べたときより
歯磨き粉の薄荷を我慢できるようになったときだった
大きくなるということのあま ....
日曜日の喜びは
午後3時頃から右下がり
夕方のサザエさんは
今日もいい天気と歌うけど
僕の心は曇り空
月曜日のラッシュアワー
流れる電光掲示の遅延情報
またひとつ
思いつめた命が
....
空が青ければ気分も晴れるほど人間は都合よくできていない。
それは夏になったからといって恋をしたことなどただの一度もない事実からも証明できる。
感情は引力で私を押し倒し、重力で沈める。
....
見渡すかぎり曼珠沙華
曼珠沙華だけの世界に
二人で行った
風もなく、音もなく、香りもない
ただ、曼珠沙華だけが咲き乱れる
あか、赤、紅
すべてが止まってる
....
内耳のような誘導路をすり抜けた時
滲んだ涙は悲しいせいじゃない
出口はずっと前から知っていた
いつも見えないふりをしていただけだから
背筋のような滑走路を走り出した時
浮かんだ笑みは ....
幸せの疑似体験をした翌朝
依然として闘病生活の真っ只中で
生理的欲求をめいいっぱいに吐き出した
軽い貧血に対して冷静な自分を
少しばかり嫌になる
嫌いなものを嫌いと言えて
好きなも ....
相手とうまくいかないとき
相手はこちらを
じぶんの都合ばかり
押し付けてくる奴だと思っている
こちらはこちらで
相手のことをそう思っている
そんなもどかしさとサヨナ ....
夕暮れの通りで
僕は見る。
長い影を引き摺った
車椅子に乗った老人を
中折れ帽をかぶって
ブルゾンを着込んだ老人は
車椅子に毅然と座ったまま
一点を見つめている。
横顔には深く ....
虹の渦がひとつ
遠くと近く
ふたつの雨を横切った
誰もいない道の終わりに
とめどないものがとまるとき
夜の鴉が一羽増すとき
心は天地の境をひらき
冬のはじ ....
時間を鎌で切り裂く事が
出来たなら
僕は君を独りにしなかっただろう
太陽が目隠ししたままで
いてくれたら
僕は君のうなじに
炎を吹き掛け続けていたのに
罪なのは
君の柔らかな語りではな ....
「ごちそうさま」。
「ありがとうございました」。
心からおいしいと思った気持ちが
自然と口からこぼれ出た。
それに対して満面の笑みで、
感謝の言葉、返ってきた。
....
判定窓がニヤリと陰性を示したので
私は軽やかに手を振り
妊娠検査薬をゴミ箱に投げ入れた
奇形の子を孕むつもりはないけれど
薬漬けの身体で抱かれることに
何のためらいもないんだ
不意 ....
夜の影響を
真昼に有り難う。
あなたは何を見ているのだろう
照らされた、いま
年月の
背景によこたわる
あちらでは、視野に広がる草原
こちらでは、ととんぼの葉も風にゆれている
ゆら ....
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