ジュリアーノ・ジェンマって俳優が好きだった
目深にカウボーイハット被り腰のコルトに手をやる刹那
呼ばれてもないくせしてサボテンの根元に転がる根無し蓬がわたしだった
ベッドのなかでもブーツ脱が ....
{ルビ嘗=かつ}ての僕は頼りなく
些細なことで今にも崩れ落ちそうな
不安な、不安な
青白い魂でした・・・
今の僕は
昔の服を脱ぎ棄て
無明の闇に、瞳を閉じ
高まる胸に、手 ....
*
群れから{ルビ逸=はぐ}れた独りぼっちのちっちゃな猿を見たんだろう
{ルビ無花果=いちじく}の果肉を齧る時、血の匂いを懐かしく想えばいい
もう既に朽ち果てた枯れ葉が寄せる ....
母が縁の下から引っ張り出してきたびんは
レトロでポップな橙の花が描かれていて
若い頃の彼女の趣味であったのだろうと想像出来た
恐らく本来は真っ赤な色をしていたのだろう
すすけたえんじ色 ....
おじいちゃん
もう半分
呆けちゃってるから
自分に回覧板まわして
そうやって忘れないようにしている
回覧板を書いたのは
おじいちゃん
回覧板を回す人も
おじいちゃん
回覧板を読む ....
終電のすいてる車内の空席に
リュックサックを放り投げ
{ルビ転寝=うたたね}をする僕に
(ちょっと・・・邪魔)と言い
わざわざリュックをどけて座り
{ルビ草臥=くたび}れスーツ ....
ぽかり ぽかり
夜のしじまに打ち捨てられた浮子
私たちは空っぽで
球殻状の胴と櫂そっくりの腕を持ち
従順なコンパスで無の瞼を開く
それは
大気と水の触れ合うとき
底無 ....
車椅子のお婆ちゃんの
トイレ介助にゆこうとしたら
誕生会の司会者さんに
(ひとことを・・・)と呼び出され
お婆ちゃんは同僚にまかせて
会場に向かってわたしは走っていったのです
....
{引用=
水色やピンクのパステルカラーが
溢れる街に暮らしてるから
お前がどんなに腹を空かしてるかは
わからない}
thank you
遺言は thank you
運命を飲み込ん ....
星降る夜、
貴方の隣りで夢を見る。
温かくて、
静かで、
優しい夢。
これから先、色々な出来事があるだろうという、
期待と、 ....
「つまらない話」
そんな他愛のない台詞を
君が言う。
ただそれだけで私は君が
きらいになる。
大すきな君に否定されるのは
さみしい。
そんな気持ちで一瞬でも涙ぐむ私に
君は ....
不思議な夢を見た。
夜の話らしかった。
なんだか良く解らない人達と
なんだか良く解らない道を歩いていくと
ぼんやりと耀く畑がある。
近づいていくと耀きの正体は
大きな水晶だと判 ....
薄情な黄色信号が回れ右して
今夜は空に麒麟が泳ぐ
街の宝石の輝きの中、
エルヴィンのビートが
麒麟の鋼の鱗を叩くと
コルトレーンのブローは
燃える上空に赤銅色の汗を射精する
....
あの蔦やクローバーがしげった奥には宮殿がありそうなきがする
きらきらと風がおぼれていく
世界の
たいていいちばんとおいところにすんでる
きみ
はずかしげに
(プ ....
湯をもとめ
山林にはいる
猪か、獣の臭いがする
腐葉土を踏み
靴底を滑らせてゆく
真実は
湯をもとめてはいない
獣を撃つことのみ
思考している、否、体が ....
私はおそるおそる事を成し遂げた
安堵の息は空腹を教えた
それほどまでに熱中していたのだ
イキテイル証を創るために
ナニカがあらわれてくるのを
待ってばかりの毎日の中で
あなたがもたらし ....
時の棘が蒼い
硝子窓は中空で沈黙している
ゆっくりと沁みとおる夜の重量
稀薄な我の裏側に貼りつく
濃密な我
深淵で暗い薔薇がひらく
鈍色の魚が円を描いて泳ぐ
記憶の闇を抱 ....
今あたし男の人と住んでる
あんたじゃない男の人と
店から帰ってきたあたしに
彼は今日はどうだったか必ず聞くの
あたしは答えるの
今日ものすごく嫌な客が来たの
....
チョコレートパフェに 押しつけてやれば
だらだらと生きてる ずるずると喋ってる
生クリーム地獄を ティーカップ世界に
ひっくり返して ぐるぐる混ぜてやれ
迷惑そうな店員横目に
足に引 ....
北極の机で白熊の母が経理伝票をつくっているとき
広い机の端ではトルコ美人がベリーダンスを踊っていた
それをかぶりつきでみていたのはペンギンの群れで
白黒の頬をうっすら紅に染める
すかさず流れる ....
あんた、うれしいね あたしにかい?
沖縄いったんかい?暑かったろうまだ 泳いできたかい?
ああ、まずは一個 おとっちゃんに上げさせてもらうよ
おとっちゃんも好きだったよ甘いもんがさ、
お茶淹れ ....
空色にそまる
秋の天蓋の幕をあければ
プラタナスの黄葉の並木
衣擦れの人影
{引用=―――――何をかなしんでおるのでしょう。
何を?ばかな 愚かな道化に何がわかるのです。
わかるる ....
生きている花には
泣き叫びながら、赤い血を
死んでいる花には
微笑みながら、綺麗な水を
狂った道化師の愛情表現
花は何も言わずただ枯れるだけ
それは
口づけをせがむときの仕草で
そらに生まれたのでした
ふわふわと漂うようままに
虹色に、つややかに
とらえられない言葉で
とらえたまま
雲のすきまに
ずっと住んでいると
思 ....
俺に知らない道は 誰も
存在したのだ
体をさせられて 喜びのような
苦しみでもなく つけて 地に
足を立っていた
窓に風を見つめていると
失ったように 風はそんな場所を吹き付けているの ....
夜は水面下で様々な日常があります。僕は驚きあきれながら友人の不貞、息子の足の大きさの変化、昔恋人だった看護師の長い指での影絵などを満腹になるまで味わってから、それを肺でガラス片に砕いていく作業を繰り返 ....
ああ
僕は引き裂かれる
林檎がみるみる熟れて破裂する
僕の爬虫類の目つきが変わる
すーっ と
すました顔は得意でも、
僕の宇宙の
花火大会は
は、
は、
はれんちで、
....
一人目をつぶり
幻想の世界
無の境地
落ち着く
全てを忘れ
息をする
苦しみが
湧き出て
癒される。
目を開ける
別世界
心が綺麗になり
正しい行いをする。
君へ寄りかかるフリをしながら
君の世界を盗み見る
僕の心の隙間に秋の風が吹いてくる
黄金に揺れていた稲穂は刈り取られ
赤に燃えている山が映りこむ
そんな折々の季節に彩られ
また君は ....
空を鼓のように張り
鳥は屋根を踏み鳴らす
糖蜜の文字
光の名前
爪と半球
蛇行と水源
凍った川をすぎる雨
降る無音 降る無音
午後の光がゆっくり話す ....
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