縁のしんだ友人と
埃くさい小屋で
昔の明細書のはみ出た戸棚の脇で
固まって静か
縁のしんだ友人と
大きなにごり沼で
どぶさらえみたいな
魚すくいを
縁のしんだ友人と
みんな消 ....
その摩訶不思議な調べは、
けして妖魔を封じる術の音などではない
草木も眠る丑三の刻にひびく――
あえて眠らぬ者たちへと告げる、
慈・悲・喜・捨の警笛だ
幽かに香水の匂う背広を纏って
俺 ....
好きなのに
あなたに
言えなくて
愛しているのに
あなたに
言えなくて
はじめて
キスした
ときめいた
胸の鼓動
あなたに
プロポーズされ
戸惑っています
恋の予感
....
至って健全なバイタルサインを見逃してからというもの
酸に塗れた空気に触れる度
気真面目さが仇となるよ
だからシグナルを送るよ
赤紫色の快楽主義者たちへの賛同
だって自分の体内を駆け巡 ....
ビール病の正式名称は
発泡性麦酒なんたらかんたらとやたら
長ったらしい名前であるため
誰もがこのように略して呼んでいるのであるが
けしてビールの飲みすぎだけが
その原因であるとは断定できない ....
出張さきの宴席で地元の方々が
茶わん蒸しの唄をやってくれた
いつもそれを覚えようとするのだが
芋焼酎がぬけた朝には忘れてしまっている
だからその晩はDVDをおくれよと頼んでおいた
翌 ....
君と同じように
あたため合ってるひとがいます
そのひとのことも君のことも大好きです
これからもずっと一緒にいようね
という恋文をもらって
しあわせになれるひとがいるなら
私は弟子に ....
誰も居ない街の
小さな家の壊れて音がでなくなった
ピアノの前に腰掛け
ふうっと大きな息を吐いて
埃まみれな黒のボディを見えるようにしてやった
そして音の出ない鍵盤を必死に ....
ちょっとプラス1だけ
優しくなれたらいいのに
小数点以下は歯切れが悪いので
やめたいです
9.9999・・・・・・は
背中が痒くなるので
もっと嫌です
1がいいです
2は僕にはきつ ....
全自動洗濯機に投げ込んだ
ぐちゃぐちゃにしちまえ 僕の作文
ポケットに入れっぱなしのキャンディと
同じように 砕けてよ
あまり上手に出来なかったとか
気に入らなかったわけでもなく ....
ブランコに乗って 今度こそはと 宙を舞うの
宙舞って 行きつく先が あなたじゃなくとも
頑張れって 言われれば言われるだけ 頑張らないあたしは変なのかなあ
あなた ....
今日は嫌だけど明日なら会いたい
そういうこともあるの
嫌いなわけじゃないの
(愛してもいないけど)
好きよ
今は電話に出たくないの
....
私は目を閉じる
下瞼のほうへ意識を集中させる
まるで世界を下へ押しやりたいみたいに
あえいでも泳ぎきれない波のように
なんやかやが迫って息もできない
やっと
口をひらいたときに出てきたもの ....
「しーっ」
声をひそめた
二人の小さな世界は
好奇心とドキドキで
光を放つ
幼い横顔の天使は
森の奥に住んでいて
いつか来る
ヘンゼルとグレーテルを
お菓子の家で待っているの
....
すこしずつアスファルトを
黒く塗りつぶしてゆく雨に
みとれているうちに
めちゃくちゃに濡れて帰れなくなった
コンビニの明かりがやけにまぶしくて
美しいことばだけで心を飾りたく ....
夜、汽笛の音が
遠くから伸びてきて
それが合図だった
(ぼう ぼう
(ぼう ぼう……
鳴り終えた音楽の残滓が
静止した街に滴る
も ....
いつから芋焼酎飲むようなったんかなあ
(あたしはどきっとした)
おまえにもうたんやっけ
(そうや)
(あのとき付き合うとった彼にもろたんや)
四五年まえおまえにもうたんや
(いまさ ....
ゆうがた 河川敷でキャッチボールをする
おじさんとの日課だった
しばしば深い草むらにボールを見失う
ボールは地球の卵だからな
すぐに地球のふところに帰りたがるのさ
おじさんの口ぐせだった
....
場所はないのだろう
誰のいう言葉もない 帰る ここは
戦場だけ そのようだ
積み上げられた石が 遠く
あるのは 離れた 高くそびえている
フランスでは教会を そうして石にして 人の
....
汚れることができなくて
白いムクドリないたとき
歌と涙がきょうだいで
母はこころと知りました
嗚呼 父はだれ 父はだれ
さあ わかりません わかりません
わからなくてもよいのです
知 ....
誰かに呼ばれた気がして
振り向くと
イチョウの木が灰色に
ざわめいている
その名前で呼ぶ人は
もういない
私は誰にも
愛されていない
駆けっぱなしのパーマは
....
人に愛される事
人に誉められる事
人の役に立つ事
人に必要とされる事
全てを兼ね備えている
むしろ休日が無い
会社ではベタ誉め状態
こそばゆい。
地獄の塩を舐めてきた
ものに ....
僕の人生を埋めてくれるものはなんだろう
何かを愛したい
愛しつくしたい
心から!
足りないものは何だろう
見つけたい
探したい
どこまでも
....
余韻に浸ることもせず
整理整頓に勤しんだ
空になったスチール缶はまるで
私に代わって愚痴を溢してくれそうな気がして
現在、机の隅で待機中
誰も尋ねやしないだろうから
ここぞとば ....
ほんとうにすぐ、
いちばんだいすきなものだって
すてられてしまうんだ
わかっていたんだ
だからこわいの
ぼくはぼくをすきになれない
きらいになれるじゆうがこわい
きみもいつだ ....
ねぇ 和尚
いくら頭をひねってみても
片手に音は鳴りませぬ
無辺なる{ルビ零=ゼロ}が「ある」ばかり
だから人は繰り返すのでしょうか
妙なる音を探し求めて
....
赤メロンに つららみたいにシタたル
籠もれ陽ふかした 浴びる月香をタくル
むろん 黒眼がしめきったのどかな風には
違いなく 色を歌う無実の草の
なじみの春が ころころと 吹雪いて
横 ....
重いばかりが先にたって
パソコンを立ち上げたものの言葉が思うようにでてこない。
言葉はいつも
世界にあふれているというのに
この身体には
流れていない ....
すくらんぶる交差点の信号機は
恋をする瞳の奥みたいに
ふと止まるときがある
いつか愛の記憶を出発する
終電を逃して
おしゃべりをしながら
取り残された恋人たちは
再びくちづけをする
....
粉々に砕けた星屑の海で、
一人ぼっちで船を漕ぐ。
宙をゆく旅は、
叶わなかった夢たちの残骸が放つ光で溢れ、
ひどく温かい。
波間から時折のぞく、
きらきら輝 ....
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