定時を3時間過ぎて、本日の業務終了。
ロッカーから鞄を取り出して肩にかけて、更衣室を後にした。
「ちょっと変わってるね。その鞄」
話しかけてきた彼と、一緒に飲み屋に行き、彼の部屋 ....
木漏れ日から漏れたような
あなたを愛してみたい
ヒヤシンスの花のように
あなたを信じていたい
画家が描く睡蓮は光りに包まれて
沼の底まで生きている
そこは何処にあるの
額に収められたあな ....
いつの夜かに冷凍した食パンの事を覚えてる
柔らかいままでは持て余す愛しい食パン
あたしが冷凍した張本人だから
忘れたことすら無いってことも覚えてる
忘れることができなくて
とうとう解凍も ....
あの頃の私には
人と違う ということが恐ろしくてならなかった
生まれ持ったカラダのどこもが
他のみんなと違ってはならないと思っていた
思っていたのに違っていた
わずかにカタチを違えて備わって ....
鳥たちは彼方より
不吉な報せ嘴に
たずさえ飛び来る
死の匂い羽根に含んで
闇が白んでいく都心の
明けの空に深いインディゴの
融解してゆくさまひたひたと
薄気味悪く清澄に
二重国 ....
きらきらしたゆめの中で、あなたたちはいつも輝いている。
どんなに苦しくても、どんなに辛くても、
あなたたちはいつでも、輝いている。
どうしたらあなたたちみたいにな ....
「またね、今日はホントにありがとう」と言ってわかれました
最後は握手で
あのとき抱き締めてたらどうだったかな
違っていたのかな
手を伸ばせば良かった
ぎゅっとすれば良 ....
髪を切った
胸元まであった黒髪が
次々切り落とされて床に落ちた
首を晒した
丸く整えられた黒髪が
物珍しくて頭を振った
肩が軽くなって
心も軽くなった
美容師さんの魔法にかけら ....
光のぬくもりは
私の頬をななめに撫でて
ゆっくり後退していった
津山駅ゆきの
この乗り物は
私をぐらぐら揺らしながら
こっそり古代へ連れてゆく
あの頃は
ママに叱られそうだ ....
手紙には宛名を書かず
飲み込んで
飲み込んで
喉の奥でうずめかす
吐き出さず
吐き出さず
私の口に雨が降る
終いの時と知りながら
それでも春になればと信じず
祈る事は諦めであると ....
例えこの世界が嘘だとしても
私の頬を包んだ
貴方の手の温もりは
真実だと泣いた
波が打ち寄せる岸壁に
叫んだ
私の人生は終わりだと
何故貴方達は言うのか
自らの人生でさえ
危うい ....
朝起きてみると炊飯器が反乱を起こしたか
お米が炊けていない
仕方なく5枚切りの食パンにジャムをはさむべく
1枚をさらに2枚にスライスしようとして
不器用な僕は手の平も一緒にスライスしかけた
....
昨日と
同じ景色に
乾いた風が
吹き抜けて行った
昨日と同じ
景色の中で
わたしは
昨日と同じでは
いられない
人と一緒にご飯を食べることが好きじゃない
まるで必死で生きていることを自分から暴露してるみたいで
嫌になる
嫌になる
ねえ、
私、あなたの瞳にどう映ってる?
ギター教室がおわるまで
ぼくは非常階段のおどり場にいた
そこで君の町の夕焼けを見ていた
SEXだけが目的だった
迷惑な目的だったと思う
あの頃のぼくはそんなだった
....
天気の良い
朝方だったかしら
母が
庭の小さな一角に
ありがとうの種を
植えたのを見た
それから
気になってはこっそり
母を
見ていた
芽が出て
茎が伸びて
母の背丈を ....
波打つガラス戸
挟み込まれた
部屋のあかりは冷たく
お月様 お月様
おいしそうに
格子なか
藍に塗り込まれ
隅の架線のふらつき加減
バタタと言っては
どこかに消える
原付の ....
集められた名著の
遣り場に困る。
「いつか、なんて来ないんだよなあ」
解っていて
胸をつかまれていた自分の
この手は その自分のだから
廃れてしまった理論書ともども
その通りにしておく。 ....
オレンジペコに浸されて
君は突然蛇口をひねり出す
「ああ 1000まで数えなくちゃ」
おざなり気味なこの町では
零れてしまいそうになる フヘイフマン
足は真っ黒じゃなくて
....
いきているのか
しんでいるのか
わからないまま
湖水の上を歩く
光はもう見えず
声ももう聴かぬ
私の肌を通して
水面に気泡立つ
温度は寂しさで
あなたは弱くて
困った人だけ ....
ゆるく
マーブルを描きながら
溶ける記憶
その中に
きみは居たか
いま
溶けた
その中に。
からっぽの
ことば。
からっぽの
わたし。
消えてしまいたい
けれど
もう少 ....
左手の五本の指から
毛細血管が夜空へと伸びはじめ
またたく間に
満月に絡みつきました
そして葉のない蔓草のように
月の表面を覆い尽くし
月光に透かされて
赤く綺麗に見えました
まも ....
わたしの名はサラ
サラ・リーマン
ミシガン州は
デトロイト
モーターシティ出身の
ドイツ系アメリカ人
日本企業で働いていたの
自動車部品のカンパニー
資材調達がわたしの役目 ....
悲しい小船をこいでゆこうよ
涙の海を渡ってこの船はどこへいくのかな
明かりも見えない海に浮かんで
揺られる心はからっぽだ
この手も足も動くけど
船からでられはしないから
泳ぐ魚に尋ねても ....
なんだか今朝は気分がいい
明け方着た君からの自虐的メールは
もう見慣れたんだ
もう、いいだの
サヨウナラだの
かまってくれサインの暴力版は
明け方が終わると同時に反 ....
踏切
仮に待たされたと考えて
横切っていく貨物列車の裏側には
「さよなら」さえも存在しない
元々は一方的に出来合いとして扱われていたのだから
どこにも間違いはないと言えるのだが ....
つきつめるとわたしは、
大空のもとに立っていた
高く澄んだ青い空をつかもうとする
白い手から零れ落ちる
硬質な光に照らされた
影の濃さに
影の濃さをたしかめる
誰にも語ることのない未 ....
その時、電波時計は、冷えた
脳髄の裡に在るとらえられな
い静かな膨張を指していた。
十六時の零七分
特に意味は無いその時でさえ、私は
、空を見つめ映った、やりきれない
微笑を浮かべ ....
夏でもないのに
帰り道
アップルシャーベットを
ほおばりながら
ちゃりんここいで
すってんころりん
あっちゃもこっちゃも
傷だらけ
青たんできて
アイスはとけて
どろど ....
十年、
十年。
なぞり続けてきた
十年、
十年。
殺し続けてきた
十年、
十年。
円環は一周する
埃かぶったアルバムの
ふやけた笑顔の遺影たち
....
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