厳かなガラス窓は空気を揺さぶり
ついで昼間の光が皮肉まじりに照らしたので
塵と埃の谷間 誰も知らない村から
ささやき交わしたり毛を伸ばしたり
微生物の営みが浮かび上がった
まだかすかに漂うス ....
雨に濡れたいと思ったのに、
今日はよく晴れているんだ
あまりにも寒いから
部屋の窓を閉めた
カーテンも引いた
電気も消して
傘をさした。
さかさに貼り付けたきみの腕が
そろそろ ....
助手席からの運転席は
それだけで夜景のようです
スピードメーターや
なにかの表示
警告
インジケーター
時計
ぴこぴこ
ポジティブムーンとネガティブムーン
空に見えるもの研究 ....
地平線がかぎざぎに囲われた東京を
中央線のガラス窓からのぞいて
ビルたちの壁面は薄黄緑に光る
水の色をしたいろんな影が長くのびて
フラットな装置のように空が広がる
鳥の群れがばらまかれ
ペ ....
最近では人の姿もめっきり少なくなった
街角の公園
細い木立の合間
ブランコが木枯らしに揺れる
寝そべり始めた太陽が
砂の上にいくつも影を落とす
錆付いた ....
{引用=
ぼくのものじゃない長い髪が浴槽の排水口へ流れた
その後を追うように
ぼくのものじゃない子供が流れていった
だから蛇口を勢いよく捻り
ざあざあといっぱいに水を浴びせ
そうす ....
{引用=
そんな言葉には
騙されないよという彼がいて
だから私は
ああ
こんな言葉では
信じてもらえないのだなと笑って
求められているのは
私の本質だろうか
生き方だろう ....
現前にしていないものに
群青色ではないものに
あぐらをかきながら冷たさをその尻に痛感させられている
悩みの奥底ではないようにと
暮れていこうとしている、光の散らばり
この瞳をどこかにして ....
引き裂かれた心と体
ほんの少しのささやかな幸せを
蝕まれた業火に焼かれて走りながら
帰り道さえ見失う闇の夜
寂びれゆく街は揺らぐばかり
壊れたはずの夢が
恥の上塗りで終わる
....
かばんには レニーブルーズの自伝と
上座仏教の指南書とくしゃくしゃのプリント類が入っている
2冊はだいぶ違う本どうしだが どちらも好きだ
でもレニーのほうが好きだ
....
{引用=
{ルビ錘=おもり}によって、わたしの外側の水位は上昇し、その先のどこにもふちはなく、溢れることができないままの記憶を、てのひらですくっては、こぼして、すくっては、こぼす、そうやって衰 ....
かたちがなければだめだと思っていた
ごめんそんなの意味わかんない
やらなきゃわかんねえだろうやったらなんか変わったりするだろうその結果を予想してなんらかの準備をしておかなければならない生き方が全て ....
自分にとってとてもいい角度からこの世界を見たいんだ
いい角度とはひとによって様々で、その突き詰め方も様々で
ぼんやり見えたらいいひとと、半分くっきりしたら満足なひとと
全体が遠く小さくても気にな ....
そろそろ秋も終わる
木々は葉を染め
散り際の命の謳歌
吐く息はかすかに白く
もう眠りの季節の入口
弱音なんて吐かない
赤い瞳は強がりで
遠くの山々に涙を堪える
随分冷たくなった風に ....
*
*
電車をおりたら、正しい冬の予感がした
冬の匂い!
冬の匂い!
冬の匂い!
冬の匂い!
冬の匂いが冬の匂いで
あたしはとっても幸せだ
今年の冬はシチューのC ....
今 わたしには見たいものがある
窓ガラスの向こうの木立の先
に流れる稜線のはて遥かに広がる空
の上に揺らぐ大気圏突き抜け
さまよう宇宙へ
(願望ではない意志の)
視線を凝らしているのだ
....
泣くように、どんなにきれいに笑っても
その一瞬で何も変わらないことを知ってしまった、と
あなたが欲しがった未来はどこに落っこちたんだろう
どこまでも手を伸ばせると信じていたのに
嘲笑うかの ....
{引用=
悲しむことなどいつでもできるのです
とどかない想いは、手にあまるほどなのに
あきらめない
今という日をすごす 今日
透明な引き潮は、
小さな入 ....
ライオンが海辺で吼える
電解質として孤独は宙を舞い
蛍たちがその行き先を示している
この獰猛な植物世界
心ばかりが跳ねるので
四分の五拍子にした
凍りついた月を見て
ライオンが海辺で ....
あなたの
気持ちが
わからない
私はいつも
恋をするのに
真剣なのに
あなたの
気持ちは
わからない
いつも
カラカラ
空回りなの
また
今回も
愛していると
言 ....
あの人は
もう
忘れたのかしら
私の心が
届かない
あの人は
気が付いていないのかしら
私の思いは伝わらない
何も
感じてはいない
振り向いてもくれない
あの人の心は ....
去年の冬に貰ったポインセチアが枯れてしまった。
部屋の端っこで鉢とそこからしわしわになった幹だけが突き刺さって存在を色のないものにしている。
花は責めない。
わたしが悪いのに申し訳なさそうに ....
夢をみた
ふかいいふかい沼にはまりこみ身動きもとれず
出せる声は呻くような無様な音のみで
がいこ がいこと鳴くイキモノが迫っては消える
暗いとも明るいとも言えぬ景色は
これがこの世界の果 ....
土に擬態してゆく空に、幾つもの六花が咲いてゆく。傍らを、頬や目尻を動かすことなく移動してゆく直方体。中には蟻が蠢いている。そう、伝え聞いたことがある。かつて蟻だった彼は酒を飲む度、種になりたい、あの六 ....
終わりの淵
よろこびの帽子
光を落とせ
光を下ろせ
滴が降り
葉になり 虫になり
家を巡り
静かに去りゆく声になり
大きく碧いまぶたの浪が
ひらく ....
わたし
肩まで伸ばした
この髪を切ります
誰にも
あなたにも
知られず
たったひとり
この世から
証拠を消し去るために
みじかく
のりこ
朝、何気なく交し合う一言も
合言葉のように繰り返した一言も
物語を描く長い長い文章も
旋律にのせた特別な文章も
手紙で綴りたい想い伝えるメッセージも
メールで済ませたありふれたメッセ ....
漁村の朝は早い
6時にもなると御丁寧に
町の中心に置かれているスピーカーが
朝を知らせるサイレンを叫ぶ
二階の窓から見える風景は
殺風景な野原の向こうに
海が見える
野原と海が半 ....
僕と君とが引かれあった
その引力は
桜散るほどのちからで
電車の踏み切りで
隔てられた思いは
初恋の思い出
春の訪れを教えてくれた
ひとひらの桜の花びらを
失くしてしまわないよ ....
唇の上で小さく呟く
『好き』
困ったように{ルビ苦笑=わら}う
『ありがとう』
何度 こんな言葉を掛け合っただろう
ね 一言言っていいかな?
優しい君に 温かな君に 愛 ....
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