その石はまるで子宮のように
あの日 交わったときから
じっと守り続けた
ゆだるような潮風からも
氷点下の吹雪からも
じっと路傍で待ち続けた
ただじっと砕かれる日を
穿たれる時を
自らが ....
星を喰う獅子が落ち
彼方燃える夕刻に
寄る辺ない足取りは
今にも崩れそうな橋を想定した
白線を辿る
鼻歌が頭蓋に響いては
鞄を持って耳から逃げてゆく
使い物にならない両手で耳を塞ぐと ....
止められなくて
抑え切れなくて
この胸が常に張り裂けそうで
キミは僕の何なの、
考えるだけで
心が乱されるのは
どうして、
人格の壁を崩す力
破壊衝動破滅熾烈亀裂
試験的な感 ....
砂に埋もれていく
記憶の再構築
あなたの悲しげな瞳が
頭の片隅に
何度も巻き戻していたかった
擦りきれたテープのように
ぼやけても色褪せても
あなたの肌の感触は
鮮明に
時間 ....
部室に転がっていた雑誌の表紙は手塚治虫だった
手にとって眺めていたら
女優の田中裕子のエッセイに目がとまった
もう20年以上まえ、平成元年のことだ
エッセイの内容は
ライトアップされた東 ....
あの日
僕は近所の土手に立って
透きとおる川の流れを
じっとながめていた
あの日
それは午後二時ぐらいだった
昼過ぎの太陽の
どうしようもない明る ....
もしもうひとつのパラレルワールドがあるのならば
その世界の僕はどういう人生を歩んでいるのだろうか
もし幸せな人生を送っているのかな
僕の人生と取っ替えっこしないかい
君が死ぬと ....
透き通った青の天井見つめて、
寒空の下
薄いボロボロの服を着て、
その子は寝ている。
大きく目を見開いてその子は眠っている。
チェマダンの往来の真ん中で、
一人のコッチョビが眠 ....
風が吹いて
君とのキスが水面に広がる
君とのキスは甘い
甘さの芯を追いかけると
ぼくは一本の線になってしまう
このまま消えてしまいたい
....
回転を少し止めた朝は
おだやかな
エメラルドの生地で
ひとつの心臓もない
白い砂床に
波のつぶやきを聴く
貝の肉のような
とりとめのない柔らかさに憧れ
ギリギリと角質の擦れ合う ....
いざという時は
やるタイプとか言って
その時やらない人は結局
いざという時になっても
やらないんだってさ
世の中そんなに
甘くないよ
とか言いながら
どこかで
まあ大丈夫 ....
ガモラーゼがやってきた
予言された通りやってきた
上弦の月夜霧が晴れたらやってきた
ガモラーゼがやってきた
足音が聞こえ私は飛び起きた
窓から顔を出すとガモラーゼはすぐそこだった
ニキ ....
誰もいない
誰もいないということの
その 誰かの誰かである 誰もいなくなった誰かへの
誰である 誰なんだ
街は荒れ果てていて
通りは大通りと呼ぶには
溶岩のように荒廃していた 天使 ....
無題遮光の夜
見回しても、夜は遮光の空間
日明かりの推進力は彼の地のオーロラ
犬歯に唾液映える虹の渦巻きにトドマる
蠅の羽音は次元を越えた悲鳴か私の瞬き
妄想は知れぬ運河に堆積するが、
....
冬が背中のうしろまで来ている
今夜の雨は仄かにぬるく
地上のものの体温をすべて奪う雨ではない
むしろ
ささくれ立った地表を磨き
朝が来る前に
つるりとした球体に変えようとしている
古びた ....
私が
景色を切り取って綺麗にうたおうとしている朝に
母と祖母が冷たい戦争をしていた
庭では 冬支度がすすんでいた
家の中の空気と 外の空気が
同じぐらいの温度の朝だった
無言とは
ひ ....
あなたから十秒を譲り受け
その使い道を一日をかけて思案する
可能性は枝葉となって
折り重なるように裾野まで広がり
結局いつも、空は見えないままで
時計の針は短いほど遅くなり
重なり ....
ここは最果ての地
なぜ僕らは
笑える程
傷つけあわなくてはいけないのか
ポスト・ポストモダンの夕暮れに
冷たい雨の濡れそぼる
光も影もない虚無に
まぼろしだけが透けて見える
フレデリカ、日々は
青い円筒のかたちをしている
耳栓をきつくしめて
きみのための水泳をつづける
硬質なつめたい水面にはじかれるのはよわいこころだ、よわいこころだときみが ....
表情無き声をエメラルドグリーンの
細胞と気管支震わせ響かせてる
「逆さまな答は正常の否定」と
待望の結末 見えたら飛び降りる
走り出せば今日も地は泥濘み始め
偶然のリアリティ 逆 ....
僕達は
光を求め
歩く
まるで虫のように…
でも僕らはバカだから
ネオンの光に騙される
まるで麻薬の様に
甘い甘い誘惑へ
誘われていく
で ....
ペンネが路上に転がっている
曇天の下無数の人差し指がペンネをいじくっている
塗炭ばりの工場の前で独楽を回す少年
しまい忘れた風鈴が金平糖のような音を立てている
少年は緑色の独楽を得意げに空中に ....
幸運のバッファローが鼻血を出して
ポケットいっぱいのピーナッツは欠伸してる
誕生日
ああ 今夜も
おなかいっぱい
日差しがいっぱい
ぶつぶつがいっぱい
ああ 今夜まで
「まあ ....
うすい長袖の体は震える
氷結晶の霜が震わせる
暖房の効いた部屋に
逃げ込まないで
震えている
その髪は毒の蛇
歯は鋭い猪の牙
青銅の手に 黄金の翼を持つ
彼女の姿を見た者は
全て石となる
神話時代の醜い怪物メデゥーサ
乾いた丘陵のうえの神殿が
....
街路樹に寄り添って
まばたきを我慢すると
色々なことが見えてくる
見えていたのに見なかったもの
園芸店の軒先で
ペチュニアがビニールの容器に
無造作に投げ込まれて
冬の曇天を眺めてい ....
エゴイストの鳥はうたう
自分の目で見えた世界を
自分だけの声で
うたで
エゴイストの鳥はうたう
知っていると
自分のものだと
エゴイストの鳥は
エゴイストであることも知っている
....
{引用=死して尚も取引される彼
死を回避しながらも墓石に値をつける詐欺師の群れ
安らかな終焉にまだ続きがあったなら
それでも彼は穏やかに旅立っただろうか}
シャーマン達が今日も街中で炎を焚 ....
大阪を発ち東京に向かっていた
車窓の闇のせいで
一瞬夜のような錯覚を覚える
これは朝の暗さなのだ
車内の匂いがまだ人間に撹拌されていない
車内の明かりの鮮度に目がなれてゆく
車窓の ....
そう
ぜんぶ自分が悪かったんだと
見止めてしまった方が
楽なんだ
戦いを挑む気力もない
お風呂を洗い忘れたのもわたし
水道代がかかるのもわたし
シャツの襟汚れが落ちないものも
....
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