柔かく
優しく
包んで
そっと
触れて
安らぎ
ゆるり
時流れ
微笑を
尋ねて
祈って
待ちて
あなたはまだ覚えているだろうか
あれ以来君から離れた僕を
空虚な時間が過ぎていき
僕が進んでいる道はだんだんと消えていく
もういっそのこと逃げ出してやろうと思ったら
実際はもう逃 ....
大事なものには形が無い
無いものを確かめようともがく
心はあるか?
心は見えない
心はさわれない
心が無いと思う人はいない
大事なものには形が無い
無いものをほしがって今日も泣く ....
この肉体が僕の名で呼ばれている不思議
思うが侭に動かし
あるいは歌い
横たえ
歯の並びにさえ
造化の神の丹念な
作業のあとを見ることが出来るのだから
この精密さには祝福が与えられて ....
その男 草木に眉を顰めて
かつて在りし栄耀の痕跡を追う
肉を刺し骨を切るのが鉄であり
火を燃やし町を興すのが鉄であった
酸素は力強かった
たゆむことなく働いた
人と動物だけが
幾度と ....
わたしの
これからはじまる
修羅場へようこそ
たくさんの首と
臓物が浮かんでる
沈んでる
今はまだ体内に
そんな修羅場へようこそ
何も欲しくない
だから奪わないで
すべて閉じている ....
うつむきながら
老婆があゆむ
右の手にしたほそい杖
すりきれたコートにつつまれて
冬の濡れた芝の上を
さまようように
あきらめたように
差し出す雑誌に
日本のことがかいてあるの ....
あなたは私を撫で
「猫みたい」と言った
私はあなたに撫でられるのが好きで
ただなんとなく聞いていた
あなたには私より愛している人がいるの知っていて
温かい手が伸びるのを待 ....
線路の上の林檎のような
男と女の営み
線路の上の林檎のような
私の心臓
絶頂はそろそろかたかたと
思わせぶりにやってくる
線路が震えるだろう
それは林檎に向けて必ずやってくる ....
自殺が話題にされると
じぶんの引き出しに
自殺が入り込んで来る
まさかじぶんが
そんなこと
今は有り得ない
この実感が曖昧なことに
しばらくして気づく
自殺よ、忍び寄らないで
....
新月
月が新たに生まれ変わる夜
世界は何処も彼処も
静かなる闇夜
時計の針が12時を回って
私の眼はますます冴えてゆく
カップには
黒真珠のように ....
誰にも気づかれずに消えてしまいたい
夜に
股の間から流れ出た赤い血が
生々しく 生きている女である
証だとでも言うのか
あぁ、誰か
誰か
声にならない音を ....
言葉の葉を
地面に散らしていく流線を
葉を手にして 白色をしていたんだって
僕は 空をいつも見ていた
人の顔に見えた 口はなく 目は黒かった
影と相まって 水蒸気のまばらな雲が漂 ....
それは
君の絵の 終わり
余計な厚みをつけはじめたら
原色の絵の具を白地に塗りつけたのなら
キャンバスの枠をはみ出したのなら
もう
それは
君の絵の 終わり
君は旅人だった ....
はるか昔、深海で織られた地層は
湧き上がる二つ対流の狭間で
荒々しくこそぎとられアルプスとなった
そのせめぎあいで
この谷を境に
やむを得ず東日本は南北に向きを変えたという
山中に住む ....
{引用=
飲まなかった眠剤を
ひとつぶ ひとつぶ
湿った土に埋めて
紫がかった芽が見えてきた朝から
八年間くびをそのままに待ち続けたら
柿がなる
たわわに実る柿の実は
わた ....
東南アジア沖で竜巻が発生した理由を科学者が調べたら
アルゼンチンの蝶々が羽ばたきしたときにできた
空気の流れのせいだったのだという
こんなにも世界は複雑だと科学者はいう
ひとりの老婆が ....
家には小さな植物がある
毎日水をあげている
たまにワインをあげている
ふるふると喜んでくれるからだ
でも
ある日
アル中になってしまった
ワインをあげないと
ブルブルかわいそうに震 ....
小学生のころは
苦手な体育と図画工作の授業がある明日が
はやく終ってほしかった
「ちっともうまくないからやめてしまえ」
とぼくはいう
「そうはいかないんだよ」
と役者のぼくがこたえる
そ ....
打出の小槌は家での子達
私は大きく樹木(きぎ)へと育ち
天まで昇って空から落ちる。
打出の小槌は家での子達
口紅塗っても家ではおかん
靴箱開けたらどろどろがしゃん。
打ち出の小 ....
何故生きるかって?
目の前を覆う
すべての霧を射抜いた
明日という、夢の為さ
無味乾燥の時間に
一本の絵筆を持って
いろを塗るのは
他の誰でもない、自分です。
愛しているよと囁いて
愛していないと言われたの
不思議な気分になったけど
同じ夜には泣けないわ
尖った月に照らされた
私の気持ちは隠された
待っていたのとつぶやいて
あいたくない ....
水族館が好きだった
おおきな魚が好きだった
わたしはまだちいさくて
背伸びして水槽に額をくっつけた
ガラスは冷たかった
わたしの目を奪う
彼の名前をわたしは知らなかった
ピラルクーが ....
ぶつけたいけど
外側のリングは光ることに疲れて、きえてしまった。
何か言いたくて
思いはぐしゃぐしゃに
胸ばかりドンドンして
眠れなくなる
湿ったバラードにはなりたくない
そんな一心 ....
荷造りをしようとものをどかしたら
なにがあったかわかるみたいにホコリが積もっていた
まんまるのホコリの輪
「たしかに君はここにあったんだよ」
鉛筆立てに向かってわたしはそんなことを言ってみる
....
正しい答えを選ばなければ
君は名前を失うだろう
詩を書こうなんていうのだから
さぞかし自信があるんだろう?
ここは平らなマムシの背骨で
掃き清められた黒い山脈
水の流れる音ばかりが
....
つなぐことより
繋がないことがだいじ
間違いは誰でもできる
過ちは、ほんとは、たやすい
ですっつーの、てか俺かいまたかよ、ってな言い訳
空中配線 衝突の別の形
寒ければ眠いのだ
....
花びらを口に含む
美しさを
儚さを
自分のものにするため
理解するため
永遠の貝がら
柔らかく張りのある
食べられることもなく
散りゆく姿を
傍観しているのは
狂い咲きはじめた ....
お腹が空く
眠たい
それくらい自然に
あなたを
好きでいたい
ご飯を食べる
眠る
それくらい自然に
あなたを
愛したい
3511 3512 3513 3514 3515 3516 3517 3518 3519 3520 3521 3522 3523 3524 3525 3526 3527 3528 3529 3530 3531 3532 3533 3534 3535 3536 3537 3538 3539 3540 3541 3542 3543 3544 3545 3546 3547 3548 3549 3550 3551
【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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