水族館から
水族が溢れ出した
水族は移動を続け
乾燥地帯にも
幾ばくかの水分をもたらし
貧弱な草木を発芽させた

水族館の後には
館と館長だけが残った
館長の手の甲にはいつし ....
横になればすぐにわかる
どうして今まで立っていたのだ
眠るために必要なものは、
とりあえず枕と寝床があればよい

悔しかったことや腹が立つこと
悲しいことや傷ついたこと
虫歯の痛みや腹ぺ ....
この街にあるのはマックだけで
あとは ロータリーと木と
坂道があるだけだった
冬はイルミネーションが灯った
駅を出た人は家に帰る
人の列をなして
バスも走った
その割と長い坂を登った
 ....
秋空に 

流れる雲を

眺めては

ひとり路ゆき

涙ひまなし
毎日毎日空から人が落ちる光景を見ることに慣れた
最初は怖くて心を痛めていたけど
毎日見続けている内に何も思わなくなり
誰かが傷ついても誰が死んでも
他の誰かが悲しめばいいと
自分には関係ない ....
祖母の誕生日
母からこっそり
祖母が大好きなお花を聞き出しておいて
仕事帰りに買いにいく
水仙にフリージア
祖母がこよなく愛する花ばな

ねぇ、どこにあるの?
花屋を探し回っても
近 ....
心を閉ざしてしまえば
全て無意味

そうやって
幼い頃から閉じるのには
慣れている

笑顔さえ浮かべて
嘘の真っ只中で育った
私を人間扱いしない人達には
耐性がある

ましてや ....
全国からの人力財力注入
破壊された瓦礫の撤去
洗浄
建て直し
尋ねて応援
買って応援

忘れることなく注入

辛抱強く注入

注入

注入

再び地域に命が宿るまで
自らの
肉の終わり
見切った上で
歌い書き表さぬば、

それ、タマシイの詩書き人に在らずと。
あゝ私の記憶と云う、
奥深き畝溝から飛び立つ
銀の鱗粉の輝き羽ばたき
密やか途絶えることなく
燃え盛る意識の原野に

色付く豊潤な響きの渦 、

ビートを刻み垂直の流出の
次第輪郭を ....
なんとでも
君となら
上手くやってゆけるって

そう
想ってた

重なりあって
繋がりあって
温めあって
口づけあって

なんたって
君となら
上手くやってゆけ ....
晴れ渡る空に茶色い靄がかかり
澄んだ蒼が穢く濁る空気はまるで
突き刺さるかのように喉を刺激し
噎せかえる異物感と圧迫感に思わず咳き込む

瞳の奥は砂と化合物で詰まり
止めどなく溢れる涙すら ....
いまここに
流されて たどりついた
なんの咎なのかも知らされず
この生の失敗の成れの果てのように
流されて
打ち上げられて
それでも息をして
すべてを自らと無関係な物語のように眺めていた ....
彼は言葉を使い回すのが好きだ

“永遠に愛す”
私にはそう言ったし
彼女には
“貴女に永遠の愛を捧げます”

きみには
いったいどう言ったの?
チャコールグレーの小さな蛾
狂ったように暴れてた
冷たいアスファルト背に
おしみなくしぶとく力なく
さかしまの日差しに浮かれ
うなされて
生死の境を針と糸
縫うように縫うように
浮いて ....
   ――完成された時のなかでは、空想だったあの人も、生まれ、生きて、心をふるわせ、
     すべてのとまってしまった血をもういちどあたためてくれる。そのとき、わたしの血は、空想から現実へと輸血さ ....
 さらば
 太陽の空の下
 恋人は
 雨傘をひらいて
 探していた
 ひまわりは
 恋人たちに集まり
 歌っていた
 世界一周の
 浪路はるか
 夏の日をなつかしむ
 黄色いリボ ....
○「心の復旧復興」
道路は車が通れるようになった
水道も出るようになった
電気もつくようになった
仮説の住宅もできた
しかし しかしだ
亡くなった人は帰ってこない
避難した人たちは帰って ....
 

やさしい世界のそとで
ひとつの雲が青空に浮かぶ

その雲に向かって
泳ぐ金魚の色は黒い

悲しげな陽射しがいつまでも綺麗で
僕は首が痛くなっても雲を眺めていた

青空を ....
あれは六月くらいのこと

あなたが台所で包丁を握ったのを知っている
不思議と怖くはなかった
しばらく耳を澄ませていると
包丁を仕舞う音がして
バタンと戸を閉じた

| 出来ないか… | ....
ほんとうは未だ
眠りの王国で
牧歌に耳をすませていたい

日は明けたが
曇りがひどく暗い
こんな寒い朝を
事務所まで
原付で風切って
向かわないとならないのか

なぜ暗い ....
もみじ、
肩まで浸かった露天風呂からのぞむ、
さりゆく、秋の赤い夕ひが、
ひとすじの、きまぐれな寒風とともに落としていった、
いちまいの、
星のカケラ、
休憩室の掲示板に、ずらりと並んで立 ....
ぼくは斬首刑を執行された
{ルビ亡骸=なきがら}の臓物は白日のもとに晒され
医師はぼくの秘密を探ろうとした
だが 魂の在りかだけは解らなかった
真実は真実で何処にも逃げはしない
ぼくの悪行を ....
やまいだれ疒とは、面白い言葉だ。「疾病」など主に
病気に関する漢字に使われる部首のことだ。
いま、俺の脳内にやまいだれが垂れ下がっていて、脳
の底にぽたぽたと病の元を滴らせている。また、やま
 ....
なぜだろう
夫と賭けをして
負ければとうとう離婚だと言うのに
朝から喜びが止まらない
後から後から
溢れ出てくる

文字にすれば感慨深い
涙も込み上げてくるが
哀しみの涙とは少し違う ....
公園の池の際に母子がいる
母は子供にパンを渡し
子供にパンクズを池に投げさせた
池の鯉は競って大きな口をパクパクした
傍には鯉に餌を与えないで下さいの看板がある
通り過ぎる人々の視線が母子を ....
 閉じたビニール傘から飛び散る
 雨滴
 会社の広大な敷地内を車と自転車が往来する
 東の正門で守衛室に社員証を提示しても
 配属先の建屋へは延々と
 アーケードの歩道を歩き続ける
 
 ....
ゆるりと白雲の流れ、

一拍、一呼吸置き

ふと見上げたら
もう消えて

自らの意志を行使した
冬空の青だけ厳めしく

冷える人の肉身を見下ろして居る 

 仕方なく手打ちを二 ....
考えるな 感じろ
と誰かが言ったが
背中で感じても指が動かない私は
ひたすら考える

詩人のような暮らしや
詩人のような風貌を
持ち合わせていない私は
ひたすら考える

語彙の ....
目の落ち窪んだ梟が窓際でエコー&ザ・バニーメンを口ずさんでいた、フレージングはイアン・マッカロクよりも古臭くて俺好みだった、冬の始まりの骨が凍るような晴れた午後、心境はブルースに制圧されていて、も ....
自由詩
タイトル 投稿者 Point 日付
館長の話たもつ324/11/11 7:14
微睡の草原atsuch...14*24/11/11 6:36
M市番田 524/11/11 1:41
五行歌  旅路レタス8*24/11/10 20:55
殺心リィ024/11/10 20:06
祖母の好きな花栗栖真理亜624/11/10 20:00
花いちもんめりつ1*24/11/10 19:09
復興4*24/11/10 19:02
五行歌、人性の警句ひだかたけし4*24/11/10 18:54
歌声424/11/10 17:19
肌寒い想い秋葉竹124/11/10 16:33
地獄の使徒栗栖真理亜2*24/11/10 15:38
流刑岡部淳太郎2*24/11/10 14:44
永遠に愛すりつ2*24/11/10 11:52
泥と灰の聖遺物ただのみきや3*24/11/10 11:38
しあわせよりも血あわせ菊西 夕座1*24/11/10 11:04
いそしぎ室町 礼2*24/11/10 10:51
独り言11.10zenyam...2*24/11/10 9:05
雲と金魚秋葉竹324/11/10 8:00
感情を失っていたりつ3*24/11/10 7:16
眠りの王国田中教平/K...424/11/10 6:29
冬どなり本田憲嵩1624/11/10 1:29
解体新書レタス6*24/11/9 21:05
病中岡部淳太郎4*24/11/9 19:28
朝からウキウキ♪レタスの妻4*24/11/9 19:07
11*24/11/9 19:03
赦されて  リリー10*24/11/9 17:33
イートインでコンタクトをひだかたけし4*24/11/9 17:18
考える人夏井椋也8*24/11/9 16:44
シング・ア・ソングホロウ・シカ...2*24/11/9 15:12

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