蝉時雨の光。七色の雨が降り注ぐ街にて、潜水艦が飛行する夜。
寝静まった住人が起きだし、徘徊する街にて。夢を壊さないようにぼくらは
足音を立てずにこっそり歩き続けた。赤い風船が飛ぶ、夜。
窓から窓 ....
こんにゃくはふと
ひとのからだの中を流れてみた
あたたかく
なるたけさらさらの血になって
それはとても
こんにゃくいち
もとはといえば
こんにゃくは食べ物なのだが
焼きものや揚 ....
光の中に硝子を置くと
影の中に虹が生まれる
それはたとえば
闇の中にも見いだした
ひとすじの希望に似ている
過ぎてきた日々を
振り返る
もうすぐ激動の時代が終わる
これから先は ....
昨今 ひとごろしがはやっていますが
キラーチューン というのがあって
作品で自害するのだそうです
『涙の数だけ強くなろうよ アスファルトに咲く花のように』
なんて本当に思ってたんだとすれば ....
{引用=
煙草の煙の向うに霞む景色だけが角膜にやさしく映る
海にも山にも離れた場所で
満たされようと何かを(何でもいい)探している
そしてそれは至極まっとうなことだと言い聞かせて
・
....
君に電話をかけるのは簡単だ
『8』、『コール』の順にプッシュする
それだけ
いつか 君が好きだと言った8
君と知り合い
業務主任は8から1に出世した
あの頃の二人が
毎日 何を話 ....
夕方はカラスが泣く
夜は犬が泣く
家ではきみが幸せで
家族とスキー旅行の計画をたて
休みには妹とブランチの約束をする
カラスも犬も昔から
ひとりごとなど言わない ....
道なき道を行く
昨日降りしきった雪が
今日歩むべき
おれの道程を覆い隠す
それでも
灯の方へ
踏みしめる
柔らかな新雪が
まるで
踏みにじったあの日の
おま ....
どうせなら木っ端微塵に
影も形もなくしてしまって
幻想に揺すぶられずにいられるように
手前勝手な妄想が記憶の隅をくすぐって
わたしの足を止めるのだ
手前勝手な ....
雪はこの星から すこしだけ
ぼくたちを遠ざける
よけいな音をすいとりながら
ぼくたちを この星から遠ざけるんだ
気まぐれでさした傘には
静かに 雪が降りつもる
それは ちいさな奇跡の ....
ハロー・ハロー
聞こえますか 過去の自分
君は 美しい思い出を準備
ハロー・ハロー
聞こえますか 未来の自分
君は 眩しい成功を準備
ハロー・ハロー
....
たしか
あの日の空も
こんな青だった
一日が長く
遊びに飽きたらお昼寝
目覚めると
優しい手が私を撫で
ふわふわな愛で包んでくれた
今日も空は青
あの日と同じ青
....
にんげんの主食はにんげんです
人を食って生き延びています
にんげんはにんげんを探し
食うために挑んでいきます
たまに気に入って
持ち歩いたり
数回に分けて食べたりします
飽きたら ....
おうちに帰るまでが遠足だから、って
遠足ってなんだろう
人生とは遠足のようなものだ、
と決めつけてしまうのはダメかな
おうちに帰るとなにが終わるんだろう
遠足か、
....
ねえ お母さん
なんで私を育てたの?
育てられなかった実の娘の身代わりなの?
自分の老後の面倒をみてほしかったの?
ねえ お母さん
なんで私を育てたの?
あなたの笑顔が可愛かっ ....
三年前に描いた殺し屋の絵がいなくなって
物陰から僕を狙っている
見上げれば満月よ
御前はいつだって洪水だったのだな
押し寄せる怒涛のように
溢れ出るノイズだったのだな
ああ ....
君の白くてかぼそい指が その先端を握り締める
脆くて儚い赤い糸
ココロが軋む 悲鳴を上げる
それでも僕は 手繰り寄せずにいられない
キリキリと音を立て 張り詰め ....
風が痛いくらいにしみこむ
私の肌はまだ 怯えていて
街頭のネオンを通り過ぎるたび
臆病者の影は心配そうに現れる
風邪は曳くなよ
なんて言いたげに(君こそね)
周囲に誰も居なくな ....
ごめんね と
言うためだけのごめんに
意味は無いような気がして
ごめんなさい
と言ってみるけれど
自分の中の洞穴から
寒い風しかでてこなかった
なのに
あなたは
い ....
雪降る昼間
気付くとうたた寝をしていた
夢の中では昔の恋人が
滝を眺めてサヨウナラと呟いていた
目が覚めると雪のせいで
さらに気温が下がっていた
布団に包まっていたのに
鼻の先がひどく冷 ....
プルトップにゆびをかけて
あたしのめのまえで
うれしそうにトマトジュースを開けるきみと
ちいさな破裂音と
あたしがいて
とじこめられた空気が
はじけて
で ....
凍りつく雪道を
自転車に乗ってたら
つつつーっと滑った
つつつーっは
るるるーっになって
滑っていく
斜めになった視線の向こうには
生まれたばかりの
....
キィィィィ ンンン
鳴っている
塾帰りの娘を迎えに来て
路肩に車を止めてエンジンを切る
ガラス1枚隔てられただけで
街のノイズは膜を張られ
夜の静寂が濃くなるから
ィィィィィ ....
いちがい
という音が好き
でも「いちがいという音が好き」と言ってる自分は
あと60年たったら確実に死んでる
それは動かしがたく
確定してる
一概に言える
すごくすごく好きなのに
....
あなたの手が翻る
そうね、機嫌でもよいようね、あなたのことだから 前触れなんてないけど
あの歌の指揮でもしているの?
そうね、たしかにそんなふうな旋律をくちづさみながらだわね
そんなことも ....
どうしたよ
船あんなところにいる船
ほら波ないからよく見える
ぽこぽこ ぽこあぽこ
雪だ
無人島じゃない孤島だ
この丘 いや島の
樹木が腐ってる
どんどん干乾びてるのに湿る ....
白ヤギさんから届いた手紙を食べている
しかたがないので手紙を書いてしまう
という展開を知りながら
次々と届く手紙を食べている
白い糸を吐きながら
やがて後悔している
黒ヤギなど ....
庭にある植木をみると
綺麗に刈り取られた枝に
雪が積もっていた
縁側のマッサージ機に座っている
祖父はもういないからと
母がカーテンを閉めた
仏壇の祖父に祖母が
またなにか報告してい ....
苦しい時には
助け舟がでる
と信じて航海
にでて行く男
好きな子へと
電話を掛けた
誰れもでない
楽になれない
外には七人の
敵がいるから
油断できない
褌を締め直す
....
哀れみへの言葉の破片
死者への 人間としての哀れみなのだろうか
それはああ 寂しさなのだろうか
何もない僕の体がある
僕は話す言葉もない
僕は誰に語りかける言葉もない
寂しさの机は涙のひと ....
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