その時であった。一行の伴である、オーマルが言った。
「我に従え。戦士よ、騎士よ、魔導士よ。今から、お前たちはわたしの僕(=しもべ)となる……」
その声音は、女性のものではなく、男のものだった。
....
「話が分かりにくい? そうでしょうとも」と、ヨランは言う。
彼は、今アイソニアの騎士を始めとした一向の、質問攻めにあっていた。
「おい、ヨラン。さっきのあれは何だ?」
「おい、ヨラン。お前は魔導 ....
その者の名を、今は言おう。エランドル・エゴリス──
世界の「再創造者」の名前である。しかし、こう言ったところで、
この言を聞く者には何も伝わるまい。だから、言おう。
エランドル・エゴリスとは、神 ....
笑んでいた
旋律のような歯
高層ビルが 欠けた明かりたちを
組みあげていく わたしの書く風景
潮錆びた 港湾都市の
人々の怒りが寄せ集まって流れをつくり
そんな流れがより合さってひとつの川となる
すぐにも氾濫しそうなすべてを押し流す勢い
なにもかも飲み込んで
旧態依然とした世の中を変えてしまうのか
だがや ....
禁じれば禁じるほど
あいつはやりたがる
あいつを動かすには
やるなと言えばいい
奇形の、巨大な水晶の中で、自分同士の殺戮劇を見てる夜、それぞれの雄叫びと断末魔は奇妙なほどに歪んでいて、けれど要因がどこにあるのかということは理解していた、だから地縛霊のように部屋の隅に沈殿してい ....
なぜか得してるように見える
しょうがない人
なぜかいつもニコニコ和ませる
しょうがない人
なぜかスローモーション
しょうがない人
もしかして ヤキ ....
眼差しの向こうで
あなたが微笑んだ
瞬きをしても
消えなくて
その幻が
もっと遠くへ
行くのだと思っていた
だから最後に
掌を合わせて
痛みを知りたくなった
尖ったもの ....
サボテン
ヒイラギ
クリ
豪雨の飛沫を前髪に浴びながら
私は新幹線を待っている
左手は携帯を握り
右手にはスタバの珈琲を持ち
きっと重みは1分1gずつ増えている
また、アナウンスが鳴っている
....
外はざんざん
降りしきる雨
みるみるひろがる
水溜まりの輪
テールランプの赤い帯
街道沿いに伸びゆきます
音楽を聴き入り約二時間
カーテン引いて窓開けたら
いきなり雨降り、赤い帯
....
専業主婦になれるという幸運の意味が私には分かっていなかった。
そしてそんな幸運にあやかる土台も出来ていなかった。
専業主婦が何を意味するのか、仕事は何なのか
旦那の稼いだ金で適当に料理し、適当に ....
穴ほど深くなくて
周りから見えないから
身を伏せて
息を潜めて
暗いからよく見えるね
もうすぐおしまい
嘘はどうでもいい
ずっと笑ってる
○「視力」
免許証の更新があるので
眼鏡店に視力検査に行った
すると
メガネをかけた状態で
左が0.8右が0.3だった
免許更新は大丈夫ですといわれたが
左右の差に驚いた
結局買い替え ....
四百年に一人
と
言われていただけあって
さすがのその大活躍に
ファンとしては
この上ない喜びで
今満たされている
これまでの記録を
更新するといっても
例えば
五 ....
振り替えれば
あっという間だった
繰り返す雨
秋を呼ぶ雨だと
誰かが言っていた
一つ前の季節には
もう戻ることは出来ない
ただ秋へ向かうだけ
止まることなく
自分のペース ....
ぽつりぽつりと
雨のふる
道の両側には
花が咲き
鮮やかなその色彩が
浮き立つように躍っいる
自転車で街道を過ぎる
女子高生の
肩口の黒髪が艶やかに揺れ
涼やかな空気に包まれて
....
雨のせいなのか
いつもより
歩きにくい
傘のせいなのか
守り切れない肩が
濡れてゆく
赤い傘にも
黒い傘にも
名前はないけど
手の感触で
知っている
主人のこと
....
純粋は若さの特権だ
その純粋は
残酷さも備えているが
若さゆえに
それも赦される
一方、老いたる者の純粋は
欺瞞に他ならない
人間は決して純粋でもなければ
美でも善でもないのに
....
この無常と永遠が重なり合う
不断の退屈な日常で
私の両眼は
ひたすら痛い
今日、病院帰りに突然開けた
雲間の青、
それは哀しいほど青かった
それは嬉しいほど空だった
....
真っ直ぐで
折れない定規のように
一本の線を引く
それが言葉なら
嫌われたでしょう
赤いルージュも
青い信号も
走り抜ける少女には
正義なのだから
何ひとつ
足りないも ....
味噌煮込みうどんを食べストロングゼロ350mlのレモン味とグレープフルーツ味を2本飲んでしたたかに酔いお気に入りのハメ撮り系のエロ動画でオナニーをした後僕は布団にぐったりとうつ伏せになって腕を枕にして ....
○「とらわれない心」
年をとったら
勝ち負け、優劣、分別に
とらわれないで
気楽に生きていきたいな!
○「お悔やみ」
百歳近い近所の、施設に入っていたおばあさんが
ついに亡くなった
....
欠けていく
月のすき間に入り込む
涙みたいな悲しい記憶
言葉より
刺さる牙などない夜の
そして月さえ牙に視えるよ
おだやかに
生きてきたからおだやかな ....
落ちている
冷たい月が刺さる秋
魔法使いの棲む屋根は赤
教えてと
君に頼ってばかりだね
なんだか優しい瞳(め)をしてるから
そっと手を
取って白くて長い人
....
空のうえで点滅してる 赤 あお 白 のテントウムシは
とても小さな機械だから
あやつられて綺麗な夢を見るたびに
ポストに絵本を返していた お母さんのベッド
さびしい 思 ....
こっから本番だよって夜に
眠くてたまらない
のぼった分だけおりた
くだんねーことは
やめにしよーって言ったばっかり
ひどいやつらだあいつらは
交わし合う喫煙室でのふたりきり
話に ....
雲の棚引く峰の間に
薄く光る紫苑の色彩は
遠くに歴史を追いやって
何かを得ようとした時代を照らして
風が稲穂の波を作って
杪夏の香りを運ぶ
また何かを見失おうと ....
文書に秘蔵する気炎など、
契った小山に盛り付けた。
偉いことなのでした
なくなりかけたものでした
豪いことなのでした
なくなりかけたことでした
かなしいだけの ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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