その少年は風船を手に降り立った
そして私にひとつの物語を説いて口に指をさした
それは私のようであり、また別の誰かの事のようだった
少年は無垢な笑顔とは裏腹に私と目を合わそうとしなかっ ....
夜の孤独は鳥を人へと戻す
しかし月の光糸は四肢を奪い
湖上の波紋で輪を描く
許されたのは踊ること
太陽の下では人であることをひた隠し
言葉も忘れ 悲鳴は呼吸よりもその姿を潜め
矢が貫こ ....
ジャジーでブルージーでポップで
アーバンな朝だ
僕はリズミカルに食パンを齧り
ナーヴァスな街の姿を夢想している
小学校の門のそばには
積み上げられた言葉の三メ ....
君知るや
曇天の向こう
青空広がり
日が輝くことを
堤防を歩いた
日差しを受けた
明るい水面が
僕にウインク
ここで新しく始めよう
堤防を歩いた
心地よい微風
足下を見ると
ひび割れたコンクリート
写真 ....
ブロンの空き瓶が
転がっている
日が傾きはじめている
サイレンが鳴っている
エフェドリン
西日の向こうの森が霞む
神 神 神
神はいると思う
自分をなくしかけたような記憶の中
渡しかけて返されてしまったラブレターに反芻している
夜のすさんだ雨を降りしきる苦悩に立たっていた
そんな世界の中に忘れた彩りのような
ぼんやりとしたスモッ ....
ねぇ、
あなたは
わたしを思い出すこと
あるのかしら
朝露に濡れる葉をみたとき
春の匂いがするお昼
真っ青な空に浮かぶひとつの小さな雲をみたとき
茜色のまぶしい夕日
....
七才のとき
斎藤内科の待合室で
はじめて死について考えた
三歳のとき
母の背中におぶられて
私はいま三歳で
母におぶられているのだと
考えていた
高校の入学式の帰り ....
白い顔して
囁くな
聞こえてるんだ
君が隠れて
嗚咽するのも
砂を食むのも
話してくれよ
全てはそこからだ
僕は君と話がしたいんだ
喉が焼ける
胸が痛い
囁くな
囁くな
金銭感覚がよくわからなくなると人は欝になるそうな。
Kさんはコガネムシばかりを見つけては食べるようになってしまった
Kさんはとても苦々しくコガネムシを噛み砕くけれど
もともと苦々しい顔の人 ....
喫茶店のいつもの席で読みかけの本を開いた
「お一人様ですか?」と店員に聞かれ言葉に詰まった
近くの席で若いカップルがコーラを注文した
飲み干した後の氷を噛む癖を彼女が注意していた
途切 ....
自爆的感覚を抱えたような内耳のノイズ
死角から襲いかかる獰猛な獣みたいに、小憎らしい感覚で脳髄の末端をつつく
俺の表情がちくちくとふるえるのが判るだろう
何 ....
僕は今、月のパルス・エピデミアルム、病の沼に来ている
病の沼なんて、とても不吉な感じの地名だけど。
ここは月ではずいぶん南の地方になる
僕の銀色の船はこの病の沼の北西部、
....
深海魚の朝
濃くなる陽射しが
少年とベッドとの境界線を
徐々に明確にしていく
窓を開けると
雨上がりの観覧車と
同じ匂いがする
生まれてくる場所を
間違えたわけではないと思 ....
行間に迷子になったままで
閉じてしまった本に
過去まで戻されました
あの日のあの廊下の隅で
自分を閉じ込めてる
自分を見つけて解放したくなった
その道を歩いて
今にいるのだけど
....
あれいま話してたのってバウムクーヘンの話だったっけ。そういえ
ばバウムクーヘンの食べ方でその人の性格なりなんなりが分かるら
しいんだけど最近わたしバウムクーヘンはまず半分に割って半分は
....
神の言葉を携えた君は
膝のうえで不意に
遠くを見ながら喃語で話し始めた
何かを祝ぐための言葉
私が話せなくなった言葉
未来の君は
私の命日を知っているはずだ
判るなら教えてほしい
....
ゆらゆら
ゆらゆら
想い
ゆらゆら
ゆらゆら
意志などなく
ゆらゆら
ゆらゆら
打ち上げられた
ゆらゆら
ゆらゆら
夢みた光
....
好き、
好き、
すき、
すき、
すき、すき
ドアーを捻じ開ければ佇む白百合。
或いはチョコレイトの小箱。
ひびわれた身体が、振り返る。
あなたは少数の皆と、
蛍光灯に応える肌が赤く染まったという妄想、
を、
追いかける。
微睡む時間は罠だ、
薄緑の眼の、
蜘蛛の、
糸、
つ
な ....
死に損ないのウィルオウィスプ
何を思うのだろう?
灯りを持って
あっちへ
うろうろ
こっちへ
うろうろ
....
{引用=
見上げた月は 皓々として
雪景色の深い谷の 底にまで
光を落としていた
白い中空の湯のなかで
魚のように戯れたね
紺青の空に 雲
....
わたしは
冷たい座席に沈み込む帰途を選んだ
柩のような匂いが
鼻腔を撫でるもんだから
からからだ
青黒い窓を見つめると
スポーツカーをきいきい啄む
鴉の檻から搾り出た森が
....
最低限の理
君を想う
次に君に会う
話す
笑う
黙る
打ち明ける
そして分岐
最上級の理
何よりも大切なものと思う
恥も外聞もごみ箱へ
さよなら
まだ眠ったままの月にくちびるをよせ
とおい昔の祈りに似たうたをうたう
てのひらのなかには白い骨がほんのりとあたたかく
ぱらぱらと、雪になって崩れるおとがした
土へと還るしろい風 ....
裏
通り
軒下で雨宿り
忘れた探し物
を探して
正しい君の言い分と
間抜けな僕の足跡と
賢い泥棒の筆先と
贅沢な僕らの為 ....
えー… ちょっと待ってよー…
これはないでしょう。ねぇ。
もっと別の場所はなかったの?
終わったわ。私。
今世紀最悪だよう、神さまのばかー。
こんな、こんな、
....
この妄想第二頸椎66Bは
インジェクションブロー成形の
ポリプロピレン製で
UV&抗菌コートが施されています
くたびれた乳白色の外観はもとより
重量感や質感まで
平均的な成人男性の第二 ....
揺れ動く陽射しに眩しさ感じて
ふと見上げた空
木々の間から漏れる光
そよ風を頬に受けた
ここには ありのまま輝き放つ
あなたがいるね
突然の強い風 怖さも感じな ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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