国道には干物屋のオレンジ色をした屋根がよく見え、切り立った崖に松たちが何個もへばりついていた
引き潮には何匹かのサバが飛び交っているのだろうか
ライズと呼んでいるのだよ、と父が語っているので、 ....
明け方
白い目で
青空の夢を見ている
夕日が沈む頃は
終わりの見えない草むらに
黄色いブロックを置いて
隙間なく並べていく
毎日ひとつずつ
繰り返しては
あっちの砂漠で焼かれない ....
見た目ほどに不安定ではありません
夜には隠れてしまいます
黒い髪が短くなります
切り紙をして遊びます、手紙、文面、浮かびません
外、ここ、心
人を遠くに感じます
....
正確な数値はわからないけれど
たぶん5%くらいになったあなたの体が
目の前に横たわっている
よほど熱かったのか
素手で触れることはできなくて
箸で摘まんでいる
かつてあ ....
ささやきが切符になる
私は列車に乗ることを許される
植物の蔓などでできた
自動の改札を抜ける
切符に自分が記録される
ホームへと続く階段を上る
一度も下ったことなどないのに
....
こんなに不安になるくらいなら、
いっそ手をはなしてしまいたいと、
何度思って朝が来ただろう。
だけど、
気づいたら、君のぬくもりが
はなしかけた手を引き戻してる。
そんな不安など、 ....
どこからはじめようか私の後悔を
生れ落ちたあのときから
ああ なんだ
この日のことを
見て知って それでもなお
ひゅるりと 生を握って
生まれてきたのだ
とめる声もふりき ....
所長最後の日、社長がカタヤマとともに営業所にやって来た
社長はユキオの髪型を見て
おっ、こころを入れ替えてがんばってるんだなあ、
と言って顔をほころばせた
社長と所長とユキオで主要なお客様を回 ....
退屈しのぎで、造った模型
土曜の朝はいつもそうだ
する事もしたい事も無く
ダラダラと時間だけが過ぎ
気付けば、お昼になる。
昼食時のめでたい番組
そいつは何故か僕を急かす
「出掛けな ....
人魚が落とした真珠のピアス
水の都の旅人を
沈む陽が遠く海を染めるまで
静かな寂しさに導いてくれる
遠い日の面影だけ映して
消えた貴女を追いかける
黒く塗られた渡し船は
揺れる水面の ....
この部屋は まるで 水槽
口をぱくぱくさせている 光のあわいに あわせて
線路から 水があふれでて ドアをたたく
6:10 6:20 6:30 6:40 6:50 7:00
電線を雲がは ....
朝。
起きる。
支度する。
出掛ける。
だらしのない電車に揺られる。
現場に着く。
働く、働く、働く。
帰る。
じめついた温もりある電車 ....
見慣れた風景が流れてく
電車の中で
「梅は咲いたか、桜はまだか」
そんな言葉を
思い浮かべては
あなたの事を
想うん ....
電車ではなく車で高松に向かった
ユキオは営業所の2階に暮らすことになり営業車を私用車として使うことが許可され実家に帰る際の高速代も会社が持ってくれるとのことだった
営業所の所長はカタヤマがはじ ....
少女の飴缶の中には
大小の安全ピンが無造作に入っている
色とりどりの錠剤に紛れ込み
それは笑っている
そして時々見え隠れして光る
虹を裂く蜻蛉のように
カラカラと音の鳴る鞄を引っ提 ....
最近
札幌一番味噌ラーメンの
有り難みが分かった
野菜が食べられる。
ミニセットは皆美味しい
やっと野菜が好きになった。
野菜の量が増えた。
と言うか、美味しくなった。
でも肉 ....
間もなく熱情は冬の下に眠る
鈍る空気の衣に袖を通し
理由のない予感に胸骨は青々と
眼の奥の恥ずかしがりやは瑪瑙、震える
背中の闇に呼ばれてる
(または夢、幾層もの熱が見る)
ひとつ節の ....
今再び悪魔が蘇る。
生きていたいか
今宵死ぬのだ
天国へ行きたいか
地獄へ落ちるのだ
食ったら寝るな
寝たら食うな
頼れるものは何もない
全てのものは崩壊する。
I will ....
靴を
鳴らして
栄螺を食べて
丸まって
流れの
力で
飲み込む
ブルーな
回想
危険な
静寂
電話の鳴る擬音
電話の鳴る擬音
電話の鳴る擬音
カッコウの歌
境目の恋
....
退屈という時間を抹殺したい
エナメル線に火をつける
行きつく先は爆発だが爆発の恐怖を忘れている
錠剤が、錠剤があれば大地震も大丈夫
(あのね、良い詩を書くときは服用をさぼるの)
錯乱 ....
あのね、
こころには、
なにがはいっているの?
どうか死なないでください。
かなしいからと、死なないでください。
つらいからと、死なないでください。
あなたが死んだら、だれかが
そのかなしみをうけつがねばなりません。 ....
授業中におなかがすいて
胃がぐーとなる。
それを聴いたとなりのこが
おなかすいたんだね
って笑った。
あーあ、わたしのこころも
淋しくなったらなればいいのに
....
さて、と言の葉を広げようとしてみた所で
話せる物語を持ってはいない
日差しがあり星明りがある
土に滲みた雨に喉を潤す
風や鳥や虫が指先に便りを置いて行く
思うに思考とは瞬間に明滅する日々の断 ....
春の畑に全裸死体だ
まだピチピチの白い肌だ
曲者は乙女から恥じらいも奪って
大きく開いた腋からも
股からも
西洋タンポポが萌え出ている
乳房に透けた静脈は凍りつき
....
列の向こうで烈しく輝く太陽は決して俺の足下を照らすことが無い
唇にこびりついたフルーツの香り、俺はいつも何かひとつ子供じみた失態を犯してしまっていて
記憶のノートをめくり返すと ....
雨が射抜いたまだら模様の私が
顔のないまま通り過ぎていった
3月の雨は まだ冷たい
たくさん着込んでいるのに
袖口から 襟首から
風も雨もはいってくるから
ふたつの目を開放して 送り出 ....
光りの肌着を
灯りのパジャマと着替えるとき
くらしのかおりは消え失せて
腐りかけたくだもの ....
遠くの方を旅する人へ
今日の風は冷たいですが
今日の日はあたたかいです
あなたの方の 一日も私があたためましょう
遠くの方を旅する人へ
今日起こる争いはあなたを巻き込みますが
今日の日 ....
いつだってどこか抜けている
春がもう鼻先にでもきてくれないと
その存在をいついつまでも忘れたままだ
それだから僕の冬は長いんだ
嫌いではない
だけどいつだって飽きている
なのに思い出せない ....
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