ぜんぶ捨てようかと思うが
捨てきれず
かといって進むのもどうかと
これで間違っていないのかといえば
間違っているのではないかと思う
間違っていることがわかったときどうするか
それこそ捨 ....
桜の花が咲く 花が散る
花の影がわたしを斑に染める
晴れた空はうつろに息づいている
わたしにきららかな憂愁が降る
胸のうちをほの白い人の列がゆく
半透明に やや蒼ざめた横貌を見せて
....
虚しい朝はいつもひとりだ。
まだ始発ががない朝もやのなか
途方に暮れたような。
泣きはらしたような。
ちゃんとあきらめがついたような。
あんなに泣いて怒って
....
まどろみの中
からみつく漆黒
回帰線の払暁に
失われた光を
閉じた瞳に
まとわりつく陽光
刹那の日常に
安堵の涙を
鳥かごの中で
小さなキリンを飼ってる
餌は野菜だけでよいので世話が楽だし
時々きれいな声で鳴いたりもする
夕焼けを見るのが好きで
晴れた日の夕方は
日が沈むまでずっと西の空 ....
”恋愛”をしていたら、いつのまにか時間が過ぎてしまいます
その時間のせいで、”恋”は終わってしまいます
そして、その”恋”が終わった時に、どんな形であれ
上手いぐあい残っているの ....
聴かせたいから、なのか
聴いて欲しいから、なのか
聴かせてやりたいから、なのか
聴かせてやってるつもり、なのか
ただ、唄いたい(弾きたい)から、なのか
....
白い吐息が薄れかかる頃
陽だまりに梅の蕾を砕いて浮かべ
縁側に確かに重力を感じてる
引き寄せられる眠気
隣の家の子がピアノを弾いてる
飴細工のカーテンが蕩ける
夕食の支度が始まるまで
束 ....
『金子みすずは素晴らしい』
これ、お母さんの口ぐせ
なんで?と聞くと
『だれも気がつけなかったことに気がつけたから』
なんだって
詩人とは、そういうものなのだろう と ....
カタヤマを丸亀でピックアップした
競艇にいってくれないか、ユキオはびっくりして聞き返した
このまえ上田さん、パチンコが好きだって話してただろ、
週いちどのカタヤマとの飲み会でそんな話になったのを ....
花
雷を閉じ込めた蕾。静か静かに、開く、
浅黄色の空を閉じ込めて、朝露にとける、
ふるえた葉から零れる雫が、地面にふれて
貴女は朝を僕らに告げる。
鳥
夕景に聳える、あの塔の廻りを飛ん ....
待合い室で座っていると隣に「過去」が座っていた
反対側を見るとそこでは「未来」が新聞を読んでいた
「過去」はそわそわと落ち着かず何度も鏡を見ている
「未来」は老眼鏡をずらして ....
僕はきっと君をアイシテル
アイシテル
アイシテル
アイシテル
だからダイキライ
誰かをその瞳に映す君は
ダイキライ
ニクラシイ
クルシイ
イジメタイ
カワイイ
ダ ....
あなた、愛してやまない
あなた、そんなあなたに欠けているもの
どんなにあかい林檎でも
その甘さをもってしなければ
結末のないお話
あなた、愛してやまない
あなた、そんなあなたに欠けてい ....
遠くの空は晴れているのに
郵便局から出ると
黄金の針を束ねたような
冷たい雨に打たれる
明日の天気は確認したくせに
家を出るときに傘を持ってこなかった
思えばぼくのこれまではこういうこ ....
希(ねが)わくば我を遠き過去へと放ち給へ
国も無く、法も立つ前の世へと
魂が剥き出しで居られ
身体の傷が生きる証しであった
あの日々へ
ねぐらも無く、雨風に吹き ....
月も星も見えない闇夜に
黒いマントに黒頭巾
黒いマフラーなびかせました
ああ闇夜に溶け込みたい
なのに私の黒は目立つの
みんな上手に溶け込めてるのに
姿も見えないぐらいなのに
見えな ....
叫びにも似た咆哮が
鼓膜をつんざくだけで
気が付くと
装填された散弾銃を
こめかみに押し付けられ
射抜かれた処女膜は
10ドルで精巣をたらしこむ
どのくらいひどいんだ?
....
そうか、
わたしとは
社交辞令さえもなし。
付き合う気
さらさらないわけね。
だから
なにも言わないんだ。
ごめんなさいね
迷惑なはなしよね。
きもちわるいわよね。
....
コガネイ係長と食事をしたあと係長いきつけのスナックに連れていかれた
ふだんスナックなど行かないユキオには居心地のいい場所ではなかった
こういう店はカウンターのなかにライトがいくようにしてある
大 ....
道というものは目に見えないものだ。だが道を生やし、道の代わりに目に見えて、道を導くものはある。アスファルトが敷かれていれば、石畳が敷かれていれば、林の中そこだけ木々が生えていなければ、そしてそれらが ....
硝子の鋏
が
切り取る
の
は
色
の
な
い
奥
行
き
知
....
仕事はすべて
機械がやってくれるというのに
人はまだ働こうとしている
機械に負けないように
速度ではかなわないけれど
きっと彼らは何日も寝ていない
私は今
午前なのか ....
トーン
トーン
と、
黒い影
頂上から落ちてくる
灰色の空
白い壁
音は無い
飛び込み台
水は張っていない
トーン
トーン
死人はいない
死人は無い
黒 ....
「ふきのとうがコンクリートから顔を覗かせて
いるからもう春だと思います」
と、松戸くんが言いました。
私は松戸くんが嫌いなので、松戸くんの筆箱に
給食で出たししゃもを二匹入れてあげました。 ....
ひとつの幽霊となって
ある日の透明をかえりみる
止まない雨に
裂けない雲に
青空の贖罪を聞く
糸を編む蚕の
たゆまない運動の
底の磨り減った靴の
歩いてきた時間を告げる
再会 ....
夢から覚めた一人でさまよう
色褪せた日々が視界を遮る
突然起きた出来事に戸惑う
止まった時計の針は動かず
カレンダー変えた季節は過ぎ去る
思い出ばかりが部屋に散らかる ....
痺れる喉が歌う感情論を伝えられたら世界が叫ぶ
閉じた心に響く体感速度無駄になるなら意味がない
ロンリー幼気な言葉を添えて
ストーリー描いたら未来が変わる
もういいなんて塞いで自分を ....
シバタさんと久しぶりに話せた
所長にだいぶ持っていかれてるんじゃないか、
ユキオは顔をこわばらせながら
そうですね、と言って演技ではなくため息を吐いた
シバタさんからの注文以外ほかで取られてい ....
彼女がやってくるというので僕は夜食の準備を始めた
シンプルな木の机に真っ白なテーブルクロス
ランプ
ナイフ
ホーク
今日は一口サイズのパイ包み焼き
料理が得意な僕の家に彼女はたびたびやって ....
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