たいせつにしていた器が
次から次へと割れていく
新婚当初
好きで集めた食器類は
ほとんど
もう 手元にない
あるのは
景品でもらった
食器ばかり
家庭の象徴
食器
....
はざくらのころ
れんきゅうのひに
ふるさとのうらにわで
かぜのざわめきをきいている
わけもわからずに
まつようにしている
ひとになるまえの
ははをおもいだすようにして
....
俺がキスしたことが有るのは
●ちゃんと●ちゃんの二人だけ
あとは名も無い娼婦たち
もくもく煙草を焚いている
その煙は天まで届く
帰ってゆく友人たちの姿を追いながら
よだかは鳴いている
....
待たせたな
って誰もいないのわかってるんだけど
ただいま よりは
なんとなく なんとなく しっくりくるんだ
巨きすぎる絵を
照らす拍手
また
照らす拍手
葉の影が
頬から動かない
音なでる指
なでる指
縦の水に沿い
三つの魂が立っている
渦の音 見えぬ ....
お望みとあれば
私の鏡を
君にあげよう
ただしお忘れなく
君が手にした時から
それはもう
共有はできない
君のものなのだから
何故なら
映るものが
同じだとは
限らないのだよ
....
もし、僕が
僕のやりたいこと
僕のやるべきこと
すべて
やり遂げたとしても
果たして
それは
僕なのだろうか
自分未遂の
僕が
ここにいる
だから
僕は
生き ....
そして、最初のはなしをしよう、
どうして始めたのか、どうやって始まったのか、
それがわからないから、お父さんと、
お母さんの、名前をじゅんぐりにつぶやいて、
そのなかにはまったくぼくがいなくて ....
あの隣り合わせの星たちは
何を思って輝いてるのだろう
近くて遠いその距離を
寂しく悲しく時には憎く思うのか
それとも
隣り合わせで輝ける今を
嬉しくありがたく誇らしく思うのか
....
ただ少し口に入ればいい
最初の動機はそんなもの
何となく物足りなくて
少しだけ勿体無くて
細かく噛み砕いてみると
随分と違う味がするもので
気がつけば虜になっている
僕にとって君 ....
都営大江戸線新宿駅で降り
南口改札へ向かう途中のエスカレーターで
ひところアルバイトで出入りしていた女の子と出会った
偶然の出会いであったが
半年前にも同じ新宿で
彼女と ....
蒸し暑く、更けすぎた夜。
物珍しく
夜空に見える
沢山の星。
見上げて笑うのは
三日月に照らされて
一人待つ、私。
雨のひと降り。
....
■チューリップ
包むように咲く花びらは
遠いむかしにわたしの頬を覆った
大きくて暖かな手のひらに似ていた
誰のものだったかは
もうとっくに忘れた
中に隠れている ....
バイトが終わって
バスに乗って
電車に乗って
自転車に乗って
家まで帰って
晩御飯を食べて
煙草を吸う
今日は彼に
メールアドレスを聞かれた
紙に書いてこっそり渡してくだ ....
あなたは拾う。石を。躓いて、はじめて出血した記念に。いつか青い星の降る夜。額にのせて眠ると、夢のなかで恋が成就する。
※
空が割れて、水が落ちてくる。あなたはいつも、とつぜん訪れる。ウィザ ....
{引用=ふらっと車に乗って家を出たら
振り返ることを忘れてしまった
何処に向かうでもなく走って
走って走って走っていた
気の向くままに曲がったりして
まるで人生みたいだと思った
い ....
それを知ったら
そこから始まるのは
あっけないほどの
晴れ渡った絶望
で
そうして
作家は自殺する
抱き合って眠るこの瞬間が
避妊具をつけたセックスに似ていて
どうしたらはずせるのかと
思案しながらまどろんでいる
「ひとつになりたい」
そう言ってせがんでも
私の言いたいひとつには ....
したり顔でジェンダーについて語ったり
PISA型をピザと読んで知識人ぶるより先にしなければならないことがあって
まず自分が踏みつけにしてきた有象無象をふりかえること
そしてその有象無象に心から詫 ....
隊列からはぐれてもう一週間
伍長は毎夜、水面に映る星空を眺めている
炸裂した散弾のようなそれは、湖の底から仄かに浮かび上がってくるように見える
頭をかすめるのは去年のポークチョップのこと
半年 ....
夏の太陽と
共に歩めたあの日々は
何処へ行ってしまったのだろう
秋が深まりゆくにつれ
逝ける夏を惜しむぐらいにしか
今は出来なくなった
私は
太 ....
私に残されたものは
何もない。
全てを失った。
もう誰も信じない。
暗い暗い、暗闇の底
落ちてゆく
失望のあまり
地から落下してゆく
体から力が抜け
蝉の抜け殻となる。
絶 ....
誘われ惑わされ
見た事がない月のすぐ手前まで
紫色した薄い衣だけを羽織ったあなた
外は雲一つない夜空なのに
滴り落ちているのがよく分かる
失う物が出来てしまい
変わっていく時間が恐 ....
「未明」に、誰もいない路上で、まだ雪にな
ることのない冷たい雨を浴びて、不十分な「
存在感」を薄く薄く展ばし、かつ儚いその「
光」を凪いだ海面のように留めながら、生き
死になどついぞ関係な ....
、と言うことから自由な足先が針になった、
が自由だった、と感じたことはない理由は知
らない。炊飯器は蒸気口が閉じられているか
ら、蓋を開けたのは必然の、服の着脱だって。
煮え切らない垢 ....
赤い川を覗こうと
熱し切った手足は捨てた
また生えてくる別の手足を
訝しみながら
川を覗き
鳥の羽のように手は空をまさぐった
私は
手を憎み
固くなった足を
後ろに向けて
....
俺を殺してくれ
おまえの官能で
いつまでも
どこまでも
まるで美しい
夕陽のように
こんなに息苦しい夜は
独り最高の
アレルギー狂想曲
一晩中がなりたてて!
迸るスピード感
....
背中に羽がついていますよ
あなた見えないのですね
忙しすぎて 首が回らないみたい
熱心に遠眼鏡を 見てらっしゃるのね
天使が見える?
それは地球を一周して あなた自身 ....
別に空が切り取られた訳じゃない
むしろ高層ビルの群れは空を望んだ形だろう
人が地上に建設した願望の手
その指先に立って手を伸ばしてもまだ届かない
屋上でも地上でも
見上げることしかできない
....
艶やかに唇濡れ 薄紫 柔らかい澱み 胸の奥底に 藍色の沼は
甘く渦巻く 鬱血 指先の冷たさ ぬるい痺れ 重い流砂状の心
沼辺の風草靡く廃土の奥に 優しげに 傾いた
脊髄の鐘楼が 鈍く軋ん ....
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