雨が強くなり
森が海に呑まれる
木々の繊維が悲鳴をあげ
窓枠がかすかに共振する

死に向かう命の塊を
やはらかに包んで緑は
夜闇の中で黒と見分けがつかぬ
音がなくなれば沈黙は意味を失く ....
 
 
このみちを
あるいていけば
しあわせになるのだと
ははがいう
そのみちをあるきつづけて
ときおりみちくさをしてるうちに
みちはもはや
みちではなくなっているのだが
このみち ....
鈍い目眩とともに
やって来る歪な影
暗い夜明けのように
淀んだ白夜のように
めくれた上皮みたいな気分が
敷布の中から身体を捕らえて
煮物が駄目になるときのような ....
ゴールデンウィークにひやけしたのは
あそんだからではなくて
やけやすいから

本当は病気

わすれさられたきおくをよびおこそうとして
ばかにされるのは
ぶただから

本当は病気
 ....
OPAの5Fがソ連になって

事実上、中空に共産国家が産声を上げた

カーゲーベーの尖兵は6Fにまで魔手を伸ばし

ヤバイ、もう8Fまで来たって

10Fが騒ぎ出した頃には ....
祭りが終わる
花火が上がる
舞い散る火の粉は
神経を一つ一つ
過去へと誘う

そこには間違いがあった
あるいは無かった
どちらにしても
脳内の化学信号
それだけが残る

もう長 ....
祖母はいつだって母の跡を消そうと
黙ったまま手縫いの布で
家のあちらこちらを拭いてゆく

母は眉間に皺をよせて何も話さない
祖父は しんでしまった祖父は
なぜ遺影になって笑ってるんだろう
 ....
 
 
先生はもう液状になって
黒板の海を
白墨で汚している

本当は海の生き物たちが
みんな住んでいたはずなのに
僕の皮膚には朝から
いろいろなものが刺さって
痛くはないけど
 ....
今日は特別
背中が重くて
息がしづらい
吐きそうだ
はやく
神棚に向かって
イノリたい

会社の中なので
商売繁盛の戎様しか
いらっしゃらないが
それでもイノリたい
神様はどな ....
夏が近いよ と
ぬるい風が

歌わないあの子たちは知らない
窓際の席の


「夏がくるよ」
海の化石を見つけた版画家は
化石のありかは
鯨の脇腹の骨にあると
教えてくれた

雷にヘソを隠す少年は
貝殻を耳に当てたことは無かった
潮騒は石狩の海で
聞いて育ったのだから

タ ....
夏が散る

一つの夢が消えたように

色褪せたプラスティックが

いとも簡単に砕けるように

夕暮から

降り出した雨滴の一つ一つが

時の定めにより 

夏 ....
僕のお腹まわりは酷くなったので
皆からトドだの
セイウチだの
と陰口を叩かれるに至ってしまった

流石にこのままでは駄目だと思っているのだが
なかなかお腹はへっこまない
へっこまないので ....
ようやく僕の窓にも光が差して来て
暖かな日差しを感じるようになって来た
めいっぱい窓を全開にすれば
この病んだ部屋にも新鮮な空気が入って来て
まるで心が洗われるよう

しばらく窓辺で風に吹 ....
きみなんか
いなくても平気
手足を切られて
芋虫みたいに
地べたを這い回ったとしても
きみが
僕のそばで
脂汗流しているのを
見せつけられるくらいなら


きみなんか
いな ....
{引用=――昔の旅を思い出して}


海沿いの
裏の国をさまよっていた
背後に山が迫る狭い平地で
当然のように道に迷った

時はゆっくりと勾配し
私に追いつきつつあった
いくつかの ....
{引用=「果てのない孤独を感じるのは、まだ私が弱いからでしょうか。
私が未だ、言いようのない既視に打ち拉がれては瞼に幕を引こうとし、
触感を拒むのは、もう世に何がしかの光明をも信じていないからでし ....
一か月が過ぎて
空高く 雲は流れる
体育の授業

私は
眼を閉じたまま
風を感じる

春を走り
やわらかい
風を切る感触

ふみきり台に向かって
歩幅をあわせ
最後の一歩で ....
花に
しづかに
雨に
くちびる

くちずさんだ歌
だれの歌だったか
だれと歩いていたか
思い出すまでのためらい

地を這うもの
足掻くもの
道を拓くもの

清涼な山の息吹の ....
俺は何だろう
道を歩いた 苦しみにされた
病人にされていく憂鬱だった
扉を手にした 幸せだった

俺は幸せになる
壁なのだ そこに立っていた
警備員だ 泣いていたかもしれない
おも ....
おじさんが走っていったほうに家がある
昭和44年発行カラー図鑑百科6天文と気象に写る暗い林
芽吹きは全ての緑
やがて水蒸気をまとい雲を作る
わずかな五月晴れも次に来る者たちのため

散る花を惜しむ心は
手をかざす真夏の太陽を待つことの言い訳
あるいは
また訪れる静寂の時への
 ....
運命の日まで あと4日

”がんの疑いがあります”

そう 医師から聞いたとき
いたって平静だった
あたし

休みの間も
好きなところ行き
ひとり ホテルに泊まり

自分の時間 ....
 
 
駅前を歩くと
街が
ビルが
私を押しつぶそうとする
私という
正確な座標の
一点を目指して

押しつぶされる
私のそばで
今この街に来たばかりの
かつての
私のよう ....
哀しくなった
哀しんでいると
その鐘のネが聴こえた
その鐘のネを聴いていたら
僕から哀しみが消えた

喜んでみた
喜んでいると
その鐘のネが聴こえた
その鐘のネを聴いていたら
僕か ....
あけた窓から入る風
ふわりと浮かすカーテン
いたずらなのね私の
心 少し動く

まぶしい光りすぎて
ただ見つめるだけの
夏は 私にとって少し遠い存在

歓声はいつも遠くできこえていた ....
世の中好転してきた。
毎日楽しい。
毎日疲れ果て眠る。

今日は特別な日
今日は楽しい日
今日は終わらない。

笑って
泣いて
叫んで

楽しんで
人のこと
考えないで
 ....
非常階段で
セックスしよう、って言ったなら
きみは怪訝に嗤うだろうね

嗤う以外に
すべを選べないきみが好きだし
非常階段の
新たな用途の可能性が
微細に肯定されるかも知れない ....
雨が降る、と描写する
詩人に少女がいいました
「雨の日だけが、悲しいなんて、なんて幸せなんでしょう」

詩人は黙って書きました
「あなたが晴れを悲しむから、僕は雨を書くのです」

少女は「そう」とうつ ....
ベッドで海を渡る詩
空にはカモメが飛んでいる。

ベッドで海を渡る詩
港のすべてが満席さ。

ベッドで海を渡る詩
僕はあなたにおじゃまして

ベッドで海を渡る詩
あなたの名前を海にする。
自由詩
タイトル 投稿者 Point 日付
瀬崎 虎彦410/5/6 22:29
みち小川 葉110/5/6 22:18
明方、その暗がりにホロウ・シカ...3*10/5/6 22:17
欠史七十五代a010/5/6 22:16
OPAの5FがTAT2*10/5/6 21:41
endeOz210/5/6 21:32
おんなの晩餐朧月410/5/6 20:42
水を買うたもつ1210/5/6 20:36
イノリたいハイドパーク5*10/5/6 19:09
夏がくるゆず2*10/5/6 19:03
喘ぐ藍に狼の巡る海板谷みきょう1*10/5/6 16:53
処暑過ぎ白露近付く蒲生万寿010/5/6 10:43
けもの/けものたち冬野 凪1*10/5/6 10:19
五月の窓未有花14*10/5/6 10:07
In Vain寒雪010/5/6 6:53
ありえない場所岡部淳太郎410/5/6 6:46
手紙高梁サトル7+*10/5/6 6:04
走り幅跳び夜恋110/5/6 3:12
ふと目を閉じた瀬崎 虎彦110/5/6 2:57
風の見張り番番田 110/5/6 2:08
暗い林えりくさちえ...710/5/6 1:06
次に来る者たちのために西天 龍8*10/5/6 1:03
不安森の猫4*10/5/6 0:50
上京小川 葉2*10/5/6 0:30
鳴り止まないその鐘のネ大木円盤1*10/5/6 0:25
遠くの夏朧月410/5/6 0:20
優しさと幸福ペポパンプ6*10/5/6 0:02
壊れもの[group]千波 一也2*10/5/5 23:41
クローバー1*10/5/5 23:31
ベッドで海を渡る詩(うた)2*10/5/5 23:27

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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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