桜が咲き始めた陽だまりの庭
ゆるやかな陽射しに
温かで風の強い春の喜びの日を
過ごせたはずの一日
咳の止まらない夜は長く
いつもなら枕元にあるはずの
サルタノールを
置き ....
現像液にひたしても現実は定着せずに零れ落ちた
ねぇ私、生きてるよって
この血はこんなにも叫んでいるのに
自分が今、此処に生きているのかさえ分からない
モノクロォムの罪と罰
暗室で君と ....
浴槽の中で優雅にはばたく
水も遠く音も遠くなって
光が円を描いて揺れるよ
わたしからあなたが離れるよ
まばたきの回数だけあなたを愛し
呼吸の頻度であなたを愛し
夜明けの数だけあなたを愛 ....
唇を噛み締めて
生臭い鉄の匂いがするあなたを
ついばむように
床の上で
スーツがしわになるのも気にしない
あげたネクタイがぐちゃぐちゃに
床で波打って
生き物のようにフロ ....
21
恋人が血塗れの姿で、私の頭を凝視してくる。
22
砂を吐いていると、あさりがたくさん採れたね、とブルーの壁に区切られた丸い空から聞こえた。
23
科学者が妻に、ナスカの地上絵は飛んだのだ、と ....
ウエーブかかったやわらかい髪
濃い肌に指をはわせて
寒い日は肌をあわせて
やわらかな布団の中で溶けた温かなかたまりになっていた
涙が出るのは何故だろう
もう何人もの肌を乗り越えて
生き ....
黒い布が二本
電信柱に結ばれて
風にひらひら泳いでる
長い夜を越えて
透き通った柱に掴まった
僕等の姿のようだ
あの柱には
きっと
僕等のいのちを生かす
ほ ....
あれが家内です
わしら夫婦の蠅です
縄張りはこの家の台所
餌の豊富な
極楽のような我が家です
おかげ様で
子宝にも恵まれ
豊かな暮らしです
大家さんは生き物好きで
わしら以外にも
....
{引用=
雨が降っているの
こころの奥深くで
あの夜のような朝からずっと
それでも空は晴れているから
傘もさせずにびしょ濡れのまま
けれどあなには見えない
魔法のような
私を支 ....
濡れたままで立ちすくむ
シャワーがザァザァと音を立てている
頭から水に撃たれたまま僕は
君の記憶すらも流してしまおうとしている
モウドウデモイイヤ
光を感じることができなくて
荒む ....
重たい、
のは
くうき
で、
ちっぽけな
私、
は、多分
ぺしゃんこに
潰される。
あなた、は ....
今日のことを、話そう。
大事なひとに、毎日メールするように。
*
「先ほど、目が覚めました。
カーテンの隙間から
雨上がりの春の陽射しが
小さい{ルビ日向 ....
星空をみてた
指で細い線を描いた
流れ星をみた
折れた花の茎のように
頭を垂れた
空が白む頃
帰りそびれた月が
少しだけ
....
フロリダ出身の二十一歳の
James Byron Deanに似た男娼が
その指に香油を塗りたくり
ポケモンに夢中になってゐる少年から
葡萄酒色の大きな真珠をつまみ取ると
少年のゆるんだ口元か ....
やさしさが舞い降りる夜には
てのひらの温度が少しだけ
高くなるのかもしれないね
指の透き間から流れて行く光たちは
零れて終わってしまうのでは無くて
それぞれの辛い道のりを
....
え
あのひと
ひこうき
たべちゃ っ
た
あなたの描いた世界を見た
まっしろなキャンバスにまっしろな絵の具で描いた
あなたの世界は
まるで死体みたいに 冷たくて
なにもなくて 音とか 色とか 全部
まっしろで
とう ....
どこかで
見たことのない
同じ夜を告げるのならば
眠らずにいよう
刹那の翳りも惜しまずに
空が目を覚ますまで
満ち欠けを繰り返し
地上を見つめ続けるのは
この世界の何かが
わ ....
ラムセス?世がくしゃみした
ラムセス?世の風邪菌が
ぼくの体内で増殖し分裂し
蝕まれていくエジプトの夕餉
お腹が空いたぼくは
ある日突然 はらぺこみのむしに変身し
スフィンクスを齧り
....
ゆびでそっとふれる
ふかふかしたものが
やがてしぼんで
くたびれて横たわる
むなしさをむねにしまう
かなしさを昇華する
垂直にいきたものは
ささえあってこそでしょう
あなたの ....
赤い陰部に
唇寄せて
黙々と味わう
オヤジさん
娘ほど
歳の離れた
ピンサロ嬢に
いれあげてしまった
オヤジさん
「陰部はこんなに
饒舌なのに、彼女(アリサちゃん)
の気 ....
100511
無我夢中で逃げ出した
空襲警報の夜
タミフルは打ったから大丈夫と
人は言う
新型も季節型も大嫌いだ
インフルエンザが蔓延して ....
誰もいない
部屋に
ぽつんと
置かれている
ピアノ
このピアノを
ひいていた
あるひとは亡くなった
世界で
有名な
ピアニスト
不治の病に
侵され
若い命を
閉 ....
ぎごちなくてもいいよ
上手くなくてもいいよ
強くなくてもいい
弱くてもいい
よけいな
無理はやめる
誰かの振りも
やめる
そのままの
自分で
ゆっくり
生きていこう
....
体も心も
忙しすぎて
疲れてしまったら
大切な
休息の時間
心も
体も
くたびれている時は
無理をしないで
休ませるのがいい
生き直しが
必要なら
こんな時は
....
叫べ
ありったけの声をあげて
叫べ
腹の中を叩き出せ
これが生命だ
この生命を虚空へと放つ
闇よ目覚めよ
叫べ
もっと叫べ
暗 ....
逃避するのは
悪いことじゃないですよ
カウンセラーはそういう
あたしも うまく
逃避して
現実をやりすごせるようになった
でも・・・
キミのことだけは
逃避すること ....
これをきめたらすぐ詩作脳に移行する
変だよなあ
まるでパブロフの犬
青は進めの信号
ゼロはゼロのまま
ずっとそうゆう記号と概念
ショックをそっくり徳利に注いで飲む
ろくろっ首、能生 ....
私は祖父が嫌いだった
まじめで 正直で 社会のために
人のために自分を犠牲にする人だった
自分だけでなく家族もそれに従わせた
だれもしていない
そんなことは理由にならなかった
し だれ ....
顔をあわせれば喧嘩ばかり
しょせんは他人なのだと
若い頃は思っていた
(25歳で家を出た)
ぼろぼろになるまで頑張ったのは
家を出たことを負い目に感じて
入院しても知らせなかっ ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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