[268]足立らどみ[2025 05/15 16:05]
ば「海に落ちる」では「海の底まで溶けずに落ちる真珠の涙」というように、愛情と悲哀が海中のイメージと重なり合い、そのまま情念が情景化されています。氏の詩全般には、生きづらさや情熱への焦がれが強く滲み、若い世代特有の切実な感性が映し出されています。

? 辻仁成「東京無人駅」「虹色の涙」
辻仁成は小説家・詩人で、都会の孤独をテーマにした詩作も手がけます。「東京無人駅」はタイトルだけでも無人駅という幻のような場所が示唆する通り、人混みのはずの都市に感じる孤独や虚無感が漂います。一方「虹色の涙」は、無機質な都会生活の中にほんのわずかに見える夢や希望を、虹のような儚さで捉えているようです。詩は散文詩
[次のページ]
戻る