[79]白糸雅樹[12/31 04:06]☆
で、私はこれらの作家を殆ど読んでいなかった。人格形成期にモデル・ケースにしたのは、圧倒的に男性作家であり、男権主義的な考え方に疑義を差し挟むことがなかったのだ。吉行淳之介と開高健の対談に共感して赤線復活論に賛成し、ハインラインにセックス・モラルを形成され、立原正秋にかっこよさを感じていた。十代の私は、理想の自分は蛮カラだった。オンナノコが蛮カラを気取っても、できあがるのはオバタリアンに過ぎないということに気づいたのは、迂闊にも二十代も後半になってからだった。
勿論、これは、単に「私がそうだった」ということに過ぎないのかもしれない。しかし、本当にそうだろうか? ある年代よりも上の世代は、やはり、
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