[7]佐々宝砂[2004 12/20 04:26]★1
私は二階から飛び降りずに済んだのだ。
海が天にあがる。
***
「錆びたナイフ」
青い夕ぐれが窓をよぢのぼる。
ランプが女の首のやうに空から吊り下がる。
どす黒い空気が部屋を充たす――一枚の毛布を拡げてゐる。
書物とインキと錆びたナイフは私から少しずつ生命を奪ひ去るやうに思はれる。
すべてのものが嘲笑してゐる時、
夜はすでに私の手の中にゐた。
#(以上、「左川ちか全詩集」より)
#↑ものすごく高い本です。私は閲覧してノートに書き写しました。
#その書き写したノートから写したので、改行とか少々違うかもです。
#間違いに気付いた方がいましたら、ご一報下
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