[3]佐々宝砂[2004 11/28 00:20]☆
「和歌(うた)でない歌」より (中島敦)
憐れみ讃ふるの歌
ぬばたまの宇宙の闇に一ところ明るきものあり人類の文化
玄々たる太沖(たいちゅう)の中に一ところ温かきものありこの地球(ほし)の上に
おしなべて暗昧(くら)きが中に燦然と人類の叡智光るたふとし
この地球(ほし)の人類(ひと)の文化の明るさよ背後(そがひ)の闇に浮出て美し
たとふれば鑛脈にひそむ琅玕(ろうかん)か愚昧の中に叡智光れる
幾萬年人(ひと)生(あ)れ継ぎて築きてしバベルの塔の崩れむ日はも
人間の夢も愛情(なさけ)も亡びなむこの地球(ほし)の運命(さだめ)かな
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