[11]佐々宝砂[2004 12/26 01:55]☆
}毎に休息す。
如何にして世界はかくも萎びはてしぞ!
疲れ弛みし絃の上に
風はその歌を奏でいづ。
望みは逃げ行きて――
彼はそれを惜しみなくなげくなり。
今は秋。その秋の尚ほ汝の胸を破るかな!
飛び去れよかし! 飛び去れよかし!
嗚呼、木の果実、
汝は打ち震へ、落つるにや?
かの夜の、
いかなる秘密をか汝に教へしぞ、
氷の如き戦慄が汝の頬を、
深紅の頬を覆ひ去りしは?
汝は黙(もだ)したり、答へざるにや?
何人か尚ほ物言ふものぞ?
今は秋。その秋の尚ほ汝の胸を破るかな!
飛び去れよかし! 飛び去れよかし!
『我は美しからず、
――斯く{ル
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