[119]……とある蛙[2012 05/13 20:56]
岡井隆さんは詩と韻律との関係を次のように考えているようです。

 現代詩は文字言語として目の前に現れる。したがって一般的にはそれを目で追って読む。詩がその発生史的には肉声として提供されていたことがあり、文字言語として読むこと自体は詩の本性とは異なる。したっがって、詩を読むことでも肉声に近いものが聴きとれねば詩としてのある要素が欠落している。

 現代詩を文字言語として読んで、意味を遂っても(慣用語法からの超越も含めて)知的悦びのみで感覚的な美は見いだせない。意味と言ったところで言葉である以上韻律と共に展開する。音韻に担われた感覚的な美も詩に求められるべきである。

※参考 岡井隆著「韻
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