オクノホソミチ 〜KAZANAGI風味〜/Rin.
入り口のところで、何かの旗が揚がっている。栗おこわ、と、そう書いてあった。みんな急に空腹を感じ、5個入りをかって1個ずつ分けることになった。発車まであと5分。間にあいそうだ。私は、5個入りのパックをつかんで、おばさんに渡した。ところがおばさんは、お金を払ったというのにおこわをくれないのである。
「ちょっと待ってね、いま温めるから。ほら、O-157にでもなったら困るでしょ。」
というがはやいかおこわを5つ、電子レンジに放り込んでスイッチをいれた。どちらかというとO-157になるよりも、電車に乗り遅れるほうが今の私達にとっては困るのだが、おばさんの忍者もぶったまげるほどの早業のまえに、誰も何も言
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