向日葵娘/AB(なかほど)
 
  
向日葵の迷路で迷いながら倒れこんで
そのまま眠りにつきたい
とつぶやきながら汗を拭い
晩夏の土間を掃除なんかしてる

今どき土間なんて貴重よう
なんてPTA会長がすました顔で言ってたけど
もう時代に合わないものは
使い勝手が悪くて
なんて言いながらも

姑が残していった糠は
今年もどうにかうまく夏を越したようで
そんなことが
普通に嬉しかったり

向日葵畑で踊ることを夢見てた娘は
どこに行ってしまったんでしょう
と鼻歌まじりに
糠床をこねくりまわす

今年の冬からは
かぶらずしも漬けてみようかしら

ああ
こんなことでは
こんなことではあ
私の中の向日葵娘は
どこに行ってしまうのでしょう
と鼻歌まじりに

  
   グループ"四文字熟語"
   Point(7)