異食同源/
 
を世界は望み、トマトソースもふつふつと自身をたぎらせ、時には赤レンガの釜戸の中で熱に弾けチーズの上に散り、繰り返し繰り返し味の自己主張を欠かさなかった。


 そもそも何故このような問題が起きたのか。この店では、生地にトマトソースを塗って食べる人、チーズをとろけさせて頬張る人、2種類の人種が、たまたま同じ生地を食していたのだった。すべてはそこに、イギリス産まれイギリス育ちのコックが訪れたことから始まった。彼の国の料理と言えば、サンドウィッチ。別々に食べるよりも、まとめて食べればいい。下地にはトマトソース、そこにチーズをざんざか振り撒いた。こんなの一緒だよ。きっと、もっと、旨くなるんじゃないの
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