異食同源/※
いの?
チーズとトマトソースは、釜の中で熱せられて融合する。どろりと溶けて、広がって行く。最初はそれでも良かった(のかも、知れない)。問題は、その先にあった。あまりにも高温で熱せられ続けたチーズは、あちこちで焦げ始め、乾燥し始め、とろける力を失いつつあった。大地もまた、端っこはカリカリのきつね色。いよいよ釜から出さなければ、にっちもさっちも行かなくなってしまう。
職人は釜に大きなヘラを突っ込むと、一気に引き出した。それは三日月にも似た、民族のピザ。いきなり、食欲旺盛な白人男性が、おもむろにピザカッターを振り上げた。それは狂喜にも似た表情で、滴る涎を拭い切ることなど、きっと、出来
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