論前可読/黒川排除 (oldsoup)
取っ手と とげが二つ付いただけの ちりとりに似た貧相な道具を白い砂が一面広がるなぞの世界に突き立てて 考え事をしている 考え事をするたびに地面に二重丸が増えていくので どうやら考えるという事はその場でただ回るだけの事であるようだ だいたい五十ほど丸を書いたところでいつも一つの閃きが起こり そのつど二重丸の外側と内側の間にその閃きを書き記す決まりがある 内側の円が外側の円に接近する度書かれた文字は形を変えていく どこに そして だれが 書き記したか分からない無数の二重丸が接する地面は 思考するという事をそのように行為する 圧縮されてもはや読めなくなった文字 意味は内側の円に搾り取られる 丸くない角を
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