風雨心中/A道化
壁、壁、壁、の、コンクリート、の
暗澹へ、暗澹へ、暗澹へ
投身する風の、その跡形を独占する為
すぐさま雨が投身する
同時に見えるも僅差のあるそれらの自決を
私は、右目と左目で悼む
それは一瞬の出来事
それら風雨の連続が、一連の咽びとなり
海が千切れるように咽びながら
今年の夏として千切れる、風雨の
ひとつに見えるも無数のそれらの自決を
私は、右手と左手で悼む
千切れ果てた夏はやがて
コンクリートの暗澹にて
濃厚なかさぶたでいよいよ確固とするのだろう
コンクリートの暗澹にもたれ
既に跡形も無い自決を私は体中で悼む
嗚呼、私は、体中で悼むのだろう
2004.6.22.
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