一次現実/ねなぎ
家と仕事先とを
往復するだけで
終わっていくように
泥の様に眠り
何も見ることも無い
中央線も
山手線も
二点間の
線でしか無かった
巡ることもなく
繋がりもせず
戻ることも
進むことも無い
僕の中の直線は
ずっと終わりまで
確定された
点と点の間
幅もなく
振れることもなく
歪まずに
静かに
平坦に
いつしか錆びて
朽ちていくように
果てが見えている
独り総武線を待ち
ホームで立ちつくし
いつかその直線が
外れ
壊れることを
願う
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