疑似定刻/人形使い
 
砂丘の頂上にまっ白い紙箱がある。
パチパチととりまいているのは金色の砂粒。
腕を差し込むと自由電子はパチパチと私を阻む。
クーロンは孤独への希求に働きかける阻害の力だ。

蓋を開ければ、高層ビル、培養された空想の樹林、が隙間なく植え込まれた庭園である都市、は光にずぶ濡れ。



橙色の洪水は、頼りない団地の鉄板の階段の細い手摺りをもつるりと濡らしており、その滑りの感触がたてるあの夢の、高く昇ってきた階段が錆びて崩れて、黒い髪の毛のはえた頭が冷たく固いコンクリートに加速しながら漸近してゆく、夜毎の夢の恐怖の突風にあおられた私は、ジグザグランダマイズステップ踏み、まろびつつ、転がり落
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