県立高校/吉岡孝次
教師という生き方があまり好きではなかった
ドラマの続きにばかり気を取られていた
頭痛がいつもひどかった
回顧録には間に合いそうになかった
今度こそはうまくやろうと心に誓った
新しいバラードをマスターしようと思った
僕は馬鹿だった
窓が休み時間のきみの好きな席だった
季節の移り変わりをどう受け止めていいかわからなかった
ホルンの悲鳴がグラウンドの空に響いた
知っていたはずの操作も忘れてしまった
長い夏休みの果てに
どこにも回帰しない君と僕がいた
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