日常狂気/菅原 夕輝
なにもない
日曜の午後
穏やかな時間が 窓から吹き込んで
静かにカーテンが波打っている、箱。
『中途半端』が散らかった机
普通を演ってきた家庭に
重ね置いたものは酷く不安定
崩れそうに、傾いでいる23.5°の景色で
おもいだす
太陽のエゴ
根本を辿り コウノトリは無意味の理由を探していた。
空を切る両腕で気流に乗れば
どこからかそっと聞こえてくる
誰かの楽しげなはしゃぎ声
「平和だ」と神様は呟いたけれど
窮屈すぎる世界で 何が真実なのか 解らない
思い描いた明日を編み、取り残された長い髪
一刻はまるで浅い眠りの仲
夢見心地な"イマ"が 紛れてしまいそうで
仰ぎ見た 遠く
北極星はまだ見えなくて
ただひたすらに 君を想う
甘い風 感情の息を吸い込み
狂気、そして 懐かしささえ運ぶ
……緩く過ぎる
なにもない
日曜の午後
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