銀河鉄道/千波 一也
各駅停車の鉄道がはたらいている
ひとの数だけ
想いの数だけ
星空のなかで
各駅停車の鉄道がはたらいている
天文学には詳しくない僕たちだけれど
きれいだね
しあわせだね
このままでいたいね
語りは
一言でいいのだと思う
流れ星がひとつ、いった
あれは
命の燃え尽きる光
そのさまを見届ける者は果たして幾つ在るのだろう
或いは
誰にも気付かれることなく
ただ
確実に
満天の星空はカタリ、とまわる
涼しく夜風が吹いたなら
それは
鉄道列車が走り出す合図
無限の時の端っこを
今ここに
しっかりと繋ぎとめて
つぎの光を
[次のページ]
前 次 グループ"四文字熟語"
編 削 Point(31)