存在価値/三架月 眞名子
は同じだって事を僕は学んだ。
暗闇を凝視しているうちにすべては済んでしまうんだから。
その暗闇の中に、
君との素敵な思い出とか、匂いとか、手に触れた時の感触とか、
全部スクラップブックに整理して
閉じ込めておくんだ。
そしたら、その理不尽な事さえ、
大切なものに囲まれていられる時間だって考えれば
それは
それは
とても幸福な時間になるじゃない?
僕の存在価値なんてそんなもんさ
必要とされたい、
されたいと望んでいた頃は、
ただそれだけしか見えてなかった。
でも、そんなのクダラナイ。
疲れるんだ。もう終わりにしよう。
そうやって終わりにしてしまった今では、
感情の支配から解き放たれて『自由』を得た。
でも最近思うんだ。
手に入れたのは
『自由』
じゃなくて
『虚無』
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