往復書簡/霜天
 
そこで溶ける人々の道に
石化する人を送り出す空に
いつの間にか帰ってきた人たちの
懐かしい声がただ優しい
私たちはとても弱くなってしまった

工事現場の迂回する
道の分だけ余計に
呼吸をまた消費して
きっといろんなものが届かない
遠くなる、私たちがそれを出来た頃には


昨日とも今日とも呼べない
忘れそうなくらいの余地に
あなたからの知らせが、どこから来たのかを知らない
消え入りそうな雨の日に
そして、だれかが、壊れたのを覚えている
遠くなる、それが出来た頃には
いつも、どんなふうに落としていったんだろう


互いに笑いあう
そんな日もありました、と
いつも季節の表面で、互いに偶然と通り過ぎた気もする
遠くなることが出来る、思い出を循環させるように
何かが終わっていくことを
いつも静かに待っている
   グループ"四文字熟語"
   Point(7)