四次酔論/ねなぎ
 
誰もいない車内の座席に持たれて
窓の外を眺めながら
ぼんやりと
僕は
もう帰る事は無いだろうと思った

外は暗くなりかけて
暮れて行く
田畑や家の屋根の向こうに
水平線が
ほんのりと赤く抵抗していた

川が見え初め
鉄橋に差し掛かり
目の前の視界が開けるように
反対側の窓から
河口が明るく揺れていた
車内に差す眩しさで
僕は顔をしかめた

河川敷のグランドや
並んでいる工場が見える
霞むような山の背景から
田畑が連なって
ぽつぽつとした家並みが
所々に点在している

濃くなった藍色に
僕の家は土手に影に隠れて
見えなかった

殆ど流れて
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