■共同作品■夏の扉に魔法をかける/Rin.
にいるよ
ロマンスカー終着駅はココロの扉(ドア)開ければ夜(やみ)も星(ひかり)に埋まる
「あばんちゅーる」
靴を脱ぎ「足首だけ」と入る海 つま先の砂だけでも愉楽
空を割る銀の剣に切り裂かれ闇はひかりに想いは騎士へ
爪先の紅のマニキュア夜を裂きチェックメイト放熱の君
休日はマーマレイドの雨の中枕の吐息もオレンジにして
「 夏の海にはサヨナラは言わない」
無人駅改札箱には夏が一枚降りれば海はもう一人占め
翼など海に沈んだ楽園に忘れたけれど翔べます歌で
三角のプリズム持って外に出て我が屈折を天日に晒す
太陽とたった1日だけの恋 それでも唄うエンドレスサマー
昼の熱肌と砂には記憶させ 心に夕陽抱いて去る海
海だから私の還える場所だから暮れてもラストサマーは告げぬ
返す波打ち際の石動かせず思い出ばかり曳いてゆく夏
前 次 グループ"■短歌バトン■"
編 削 Point(9)