記憶の断片小説・ショートシネマ 「ロイド」/虹村 凌
100円ライターの火も、好き。
アルカロイド。
意識して吸引している訳じゃないけれど、
僕が君に、「ロイド」って言う名前をつけたのは、アルカロイドからなんだ。
古い詩の中に、ヒントが隠れてる。
ライチ、君はもう知ってるでしょう。
さぁ、もう一本目に火をつけよう。
ねぇロイド。
もしこれを読んでいて、少しでも不快に思ったら、言ってくれ。
僕はすぐに、全部を消すから。
缶珈琲を灰皿にすると、僕はいつも非常識だと怒られた。
***
「一本目」
あいつとは、学園祭で出会ったのが最初らしいが、その時の記憶は無い。
僕らの学校は、男子校と女子校に分かれていて
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