〈芝居〉『明日』 青年座 2005/08/13/白糸雅樹
 
居のチラシなどにあらかじめ、長崎に原爆が起きる前日、婚礼が行なわれる家の話であることが書かれているので、観客はそれを念頭において見ることとなる。)

 婚礼の席には、花婿の母こそ留袖を着ているものの、花嫁は白いブラウスに紺のスカート、列席者はモンペなど、(花嫁の友人などは黄色のとても華やかな色で、晴れ着のモンペであることはうかがいしれるのだが。)戦時中のこととてけっして華美な婚礼ではない。後のほうの台詞で、花婿の両親がモーニングと留袖であったことが驚きと感心をもって語られるなど、細かいところで時代を描いている。

 婚礼からは脇役で花嫁の友人を聖女のように憧れる青年が、隣にその女性が座った
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